竹島動画、効果あり?「頭を抱える」韓国政府
外務省は16日、「竹島に関する動画」(1分27秒)、「尖閣諸島に関する動画」(1分29秒)を、外務省サイトや動画サイトYoutubeにアップロードした。現在は日本語版のみ。韓国政府は23日になって竹島動画に抗議、削除を要求した。24日までには韓国の与野党も揃って日本を非難した。
また25日午前には、韓国軍と海洋警察庁が、竹島で、外国人の島上陸を阻止するための合同訓練を実施した。韓国の一部自治体では、25日は「独島の日」(独島は竹島の韓国名)であり、改めて領有権を主張するため、実施公表という異例の措置をとったとみられる。
【日本領を主張する動画】
竹島に関する動画では、日本による竹島の領有は、17世紀に確立したと主張。韓国は第二次大戦後、独立に伴って領有を主張したが、米国に否定された。それにもかかわらず1952年には、「国際法に反して」、一方的に竹島を韓国領とする「李承晩ライン」を設定、不法占拠。日本による国際司法裁判所への付託提案も3度にわたり拒否した、と訴えている。
【韓国与野党一丸となって抗議】
韓国外務部は動画の削除を要求し、さらに日本大使館当局者に抗議した。
しかし日本側が削除に応じないため、聯合ニュースによると、韓国外務部は重ねて遺憾を表明。日本政府と高官らに「真実に目を開く」よう促し、「独島が私たちの領土であるという裸の真実を国際社会に知らしめる最大限の努力」を誓ったという。
同報道によると、与党セヌリ党の黄祐呂(ファン・ウヨ)議員は、「日本政府は独島(竹島)への主張を打ちだすYouTubeビデオを拡散することでサイバー挑発を行っている」と述べ、国際社会および日本の「良心的な」人々と協力して厳しく問題に対処することや、関連予算を増やすなど実効支配強化を訴えたという。最大野党・民主党の金寛永(キム・グァンヨン)議員も、「我々は、日本の軍国主義復活の懸念が実現するのを目の当たりにしている」などと評している。
【韓国紙の報道】
韓国紙の中でも対日強硬派とされる朝鮮日報は、はっきり「挑発」「流布」などと表現して、日本側を非難している。そしてその「挑発の程度」は毎年高まっているという。
同紙は、2011年7月に竹島上空を飛行した大韓航空に対し日本外務省が「公務員利用自粛命令」を出したことや、近年の外相らが竹島領有権主張を強めていることに言及して、「韓日関係を解決すべき外務省が先頭に立って独島問題をあおっている」と述べている。
また同紙によると、動画削除の可能性はほとんどなく、韓国政府は日本の竹島領有主張を「やめさせる実質的な手段がないため頭を抱えている」という。さらに、来月中と予想される、韓日外交当局間の安保政策協議会にも悪影響を与えると警告している。
なお韓国の中央日報によると、韓国政府は、日本が動画を公開する3日前に、YouTubeで竹島が韓国領であることを説明する動画(12分23秒)を掲載していた。