次期駐日大使はケネディ氏か 選出背景と課題とは?
故ケネディ元米大統領の娘で、作家/弁護士のキャロライン・ケネディ氏が、次期日本大使候補に選出されたと各紙が報じた。もし任命が決まれば、初の女性駐日大使となる。ただ、ホワイトハウスは「現時点での任命はない」(カーター報道官)と述べ、カナダ大使任命の可能性も示唆されている。
各紙は、同氏が選ばれる背景や条件、直面する課題について報じている。
名高いケネディ家の一員として生まれながら、政治活動とは距離を置いてきたキャロライン氏は、2008年、叔父であるエドワード・ケネディ氏と共にオバマ大統領支持を表明し、一躍脚光を浴びた。その後、ヒラリー・クリントン氏が国務長官に選出された際、後任として2009年ニューヨーク上院議員に意欲を示した(その後、「家庭の事情」を理由に辞退している)。昨年のオバマ大統領再選時は、選挙活動時の副委員長も務め、徐々にオバマ大統領下で存在感を増してきた。
その外交経験の少なさから、今回の大使任命に対し否定的なコメントも聞かれるが、特にエドワード氏と親しい関係にあったジョン・ケリー氏の国防長官任命により、彼女の任命の可能性は高い、とAFP通信は報じている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙も、大統領との関係が深いことなどから、キャロライン氏が任命される可能性は極めて高いと分析している。
なおキャロライン氏の日本との関わりはさほどないが、日本国内でよく知られた「ケネディ家」の一員であり、大統領と関係が深い点は好印象だろうと、ニューヨーク・タイムズ紙は報じている。
キャロライン氏が大使に任命された場合、アジア戦略を再構築する大統領にとって重要になるとウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じる。各紙は、尖閣諸島をめぐる日中間の緊張関係、米韓に対し強硬姿勢をとる北朝鮮への対策などが当面の課題となるだろうと報じている。