オバマ大統領再選-世界各国の反応は?-
再選を決めたオバマ大統領に対し、世界各国の首脳が送ったメッセージや、各国メディア・専門家の反応が報道された。
【アジア諸国】
中国の胡錦濤国家主席と温家宝首相から祝福の言葉が送られた。フィナンシャル・タイムズは、中国では両候補の対中敵対姿勢が批判的に報じられていたが、オバマ大統領の再選も大きく取り上げられたと伝えた。ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国を「為替操作国として認定する」と強硬な主張を行なっていたロムニー氏の敗戦にほっとしているようだ、とも伝えている。中国国営メディア編集者の、「中国の急成長とアメリカの不景気は国際的なリスクであり、中・米関係はウィン・ウィンな関係を追求すべき」というコメントも伝えられた。一方ニューヨーク・タイムズは、中国の一見好意的なコメントの裏には、不景気に陥ったアメリカに対し、中国との協調関係は求める警告の意味合いもあると報じている。
なお日本については、祝福のメッセージに加え、オバマ政権の対中姿勢とTPPの行方を注視していることが報じられた。
【中東諸国】
核開発疑惑がもたれ欧米の経済制裁を受けているイランからは、何のメッセージもなかった。フェイスブック上には、強硬姿勢のロムニー氏の敗戦に安堵する書き込みもみられた、とフィナンシャル・タイムズは報じている。
イラン核問題経の強い危機感を表明している、イスラエルのネタニヤフ首相は、両国の同盟関係を今まで以上に強いものにしていき、イスラエル市民に安全を与え続けてほしいという短いコメントを発表した。
パキスタン政府は、オバマ再選を「地域にとって安心できる」と評した。アフガニスタンからの撤兵を早めると主張するロムニー氏を危険視していたことが背景にあるとフィナンシャル・タイムズは分析した。一方市民は、状況は変わらないという諦めと、無人機で無実の市民を殺害し続けていることへの怒りの声を挙げている。
【欧州諸国】
オバマ大統領の再選は、英左派新聞ガーディアンなどで、好意的に報道されている。再選により、選挙のために止まっていた問題解消に向けた動きが再会することが期待されている。一方、対中関係に注力するオバマ大統領に対し、相対的に欧州との関係が弱くなるという懸念もあることを、ニューヨーク・タイムズは報じている、