世界最大のヘビとは?ギネス記録や史上最大・目撃情報も紹介

世界最大のヘビとは?ギネス記録や史上最大・目撃情報も紹介

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世界には、人間の想像にもおよばないほどの巨大な生物がいる。なかでも巨大なヘビは、その長い身体であらゆる動物を絞めつけた挙句に、大きなアゴで飲み込んでしまう恐ろしい生物だ。

本記事では、世界最大のヘビについて複数の基準で紹介し、彼らが生態系で最強なのかについても考察する。

世界で最も大きなヘビの種類は?

世界で最も大きなヘビの種類は?

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世界最大のヘビとは、どの種類をいうのだろうか。世界最大の基準を長さ、重さ、ギネス認定、絶滅種を含む史上最大種の4つの視点から解説する。参考までに、日本最大種についても紹介したい。

長さ世界一は「アミメニシキヘビ」

長さ世界一のヘビは「アミメニシキヘビ」である。世界一という基準は、発見されて実測されたヘビの長さを元にしている。

標準的なアミメニシキヘビの大きさは体長1.5~6.5m、体重1~60kgほど。ほかの大型ヘビと比べ胴回りが細いことが特徴で、体色は薄黄色がかった褐色、背面には斑点をもつ。

主な生息域は、インドや東南アジアの熱帯雨林。多くは水辺に生息するが、人里付近で見られることもある。泳ぎが得意で木登りもできるという。

アミメニシキヘビは、通常は爬虫類・鳥類・哺乳類を捕食し、大きな個体になるとマレーグマのような大型の動物を襲うこともあるらしい。人間が襲われる事件もまれに起きるが、基本的には人間を捕食することはないとされる。

重さ世界一は「オオアナコンダ」

重さ世界一のヘビは「オオアナコンダ」である。こちらも、実際に発見・実測された個体の重さを基準にしている。

オオアナコンダの特徴は、体長に比する胴回りが太いこと。先述のアミメニシキヘビよりも大きいイメージをもたれているようだ。しかし、公式な最長個体の長さはアミメニシキヘビに負けている。

これまでに体長10mを超えると見られる個体も発見されたが、発見時に頭部が潰れていたため検証・計測がされず、公式な最長記録として残されていない。

標準的な体長は5~6m、体重は100kg以上。なかには250kg近い個体もいるというから驚きである。オオアナコンダの生息域は、主にアマゾン川流域で、南米大陸の熱帯雨林の水辺だ。彼らは肉食で、魚類や哺乳類などあらゆる動物を捕食する。陸上では動きが鈍く、水中での狩りが得意だ。

ギネス認定記録は体長7.67mの「メデューサ」

ギネス世界記録に認定されている世界最大のヘビは、米・ミズーリ州の「Edge of Hell Haunted House」で展示されている、アミメニシキヘビ「メデューサ」だ。体長7.62m、体重136kg。飼い主がメデューサを購入した際には、体長60cmほどだったという。

食欲旺盛で、1週間に約18kg以上の肉を食べたとのこと。性格は穏やかで、お披露目時には従業員15人に抱えられて登場した。なお、メデューサの記録は2023年現在も破られていない。

実は、メデューサ以上に長いヘビの目撃情報もある。しかし、体長・体重が実測されていない、発見時に死亡していたなどの理由により、いずれもギネスの認定を受けられなかった。

また、巨大ヘビを捕獲し計測しようにも、ヘビが大人しくしているとは限らず、発見者側も対応が手荒になってしまう。次回のギネス記録更新は、捕捉せずに計測が行える装置が導入されない限り、難しそうだ。

史上最大は6,000万年前の「ティタノボア」

絶滅種も含めた史上最大のヘビは、化石で発見された6,000万年前の種「ティタノボア」だ。

ティタノボアの化石は2009年に、コロンビアの熱帯雨林で発見された。推定最大体長12.8m、体重1,135kgはあったとされ、それまで史上最大といわれた「ギガントフィス」を凌ぐ大きさであることが判明した。

ティタノボアがこれだけ巨大化した理由は、当時の気温が現在よりも高かったことによる。絶滅種のため定かではないが、ティタノボアの体色は景色に溶け込み目立たない色彩であったとされる。主に捕食していたのは魚類だが、ときにクロコダイルのような大きな動物を捕獲していたことからも、その巨大さがうかがい知れる。

参考:日本最大は「アオダイショウ」

参考として、日本一大きいヘビも紹介する。それは「アオダイショウ」である。

標準的なアオダイショウの体長は1~2.5mほどで、なかには3mを超える個体もいる。体色はその名のとおり青緑色で、木登りを得意としていることが特徴だ。主にネズミを捕食しているアオダイショウは人里でしばしば見かけられ、性格は穏やかで人間に害をなさない。

タヌキやキツネに捕食されてしまうこともあるアオダイショウは、日本の生態系のなかで決して強いほうではない。彼らが人里に現れる理由は、天敵に出遭わないための保身術でもあるようだ。

世界最大のヘビは世界最強?死因からも考察

世界最大のヘビは世界最強?死因からも考察

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体長や体重、ギネス認定で世界最大のヘビとされた種は、果たして世界で最強の動物と呼べるのだろうか。ここでは、天敵や人間との関係や死因から、生態系での彼らの位置づけについて考察する。

大きく進化した理由

世界最大のヘビが大きな身体と大きなアゴをもつ理由は、環境に適応し進化した結果だった。

ヘビは、捕食する獲物の大きさに合わせて骨格・体格を進化させてきたため、同じ種のヘビであっても、生息地により個体の大きさが異なる。大型ヘビの場合は、餌となる動物が環境要因で大型化したため、ヘビもそれに適応し大型化したようだ。

また、ヘビのアゴが大きく柔軟に発達した理由は、食糧獲得困難期に丸呑みがもっとも効率のよい摂取方法だったからだ。大きな獲物を丸呑みすると、その後は最長1年近く何も食べずに生きられる。このことは、6,600万年前に恐竜など多くの生物種が絶滅した際に、ヘビが種として生き延びられた理由の1つといわれる。

ヘビの身体とアゴの大きさは、その時々の食糧事情に順応した結果であり、種としての生存力の強さを証明している。

巨大ヘビvs天敵動物

人間や動物を襲うイメージが先行するヘビだが、本当に天敵のいない食物連鎖の頂点なのかというと、そんなことはない。

実際、標準的なサイズのヘビは、ネコ科の動物や猛禽(もうきん)類にあっさりと捕食されてしまう。毒をもつコブラでさえ、鷲やアナグマには勝てない。そもそもヘビがとぐろを巻く理由は、周囲を360度警戒し素早く防御に転じるためで、そのこと自体が天敵の存在を示唆している。

ただ、身体の大きなヘビは、相手に巻き付き締め上げるという必殺技が使えるため、天敵は激減する。それでも、巨大なワニに捕食されることがあるため、無敵ではない。

ヘビは、種としての生存力に長けてはいても、世界最強動物の座には君臨できないようだ。

巨大ヘビvs人間

人間とヘビとの闘いについては、勝率が曖昧である。

人間がヘビに襲われる事故は時々報道される。人間にとってヘビは脅威と考えられがちだが、ヘビがすすんで人間を捕食することはないと専門家は指摘する。むしろヘビは、人間との接触にストレスや恐怖を感じ、避けている場合が多いという。

人間が襲われる事故の多くは、人間がヘビの生息域を犯すか、接し方を過ったことが原因だ。実際にヘビが人間を捕食する頻度は低く、わずかな事例は双方がたまたま出遭ってしまったための悲劇といえる。

食べる・食べられるの関係でいえば、ヘビが人間を食べるよりも人間がヘビを食べる頻度のほうが高い。インドネシアの非イスラム圏ではヘビを焼いて食べ、生き血も飲むことがあるのだ。

人間は太古から、ヘビを神様、ときには悪魔の化身と呼び、その時々で扱いを変えてきた。人間の都合で加害者にも被害者にもされるヘビのほうが、とんだ災難なのかもしれない。

死因に見るヘビの弱点

巨大ヘビにもどうやら弱点はあるようだ。

2016年にマレーシアで、ギネス記録を更新するかもしれないと騒がれる巨大なヘビが発見された。ヘビは保護され、水や食糧を与えられていたが、捕獲後わずか3日で死亡。一部の専門家はストレス死を疑った。

ヘビがストレスに弱いことを仄めかす死亡事例はこれだけではない。南アフリカで、ヤマアラシを丸呑みしたニシキヘビが獲物を吐き出そうとして死ぬ「事故」があった。ヘビはストレスを受けると、丸のみした獲物を吐き出す習性があるという。

このときも、ニシキヘビは人間に囲まれたためにストレスを感じたらしい。ところが吐き出そうとした際に、ヤマアラシのトゲが体内に刺さってしまったのだ。

こうしてみると、どうやらヘビは身体の大小にかかわらず、ストレスに弱い生き物なのかもしれない。

世界最大のヘビも生態系では食物連鎖の一段階に過ぎない

世界最大のヘビに天敵は少ない。しかし、世界最強動物とはいえず、あくまでも生態系のなかでは食物連鎖の一段階に過ぎないのだ。人間もヘビを恐れすぎず、さりとて侮りすぎず、同じ地球上の生物として適切な距離と関係を保ちたいものである。

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Text by NewSphere 編集部