韓国、出生率世界ワースト2位…その背景は? CIA予測の出生率ランキング

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◆先進国に広がる少子化問題
 もっとも、先進国全般において、出生率の低下は広くみられる。たとえばイタリアでも状況は同じだ。イブニング・スタンダード紙は、ローマ教皇が「出生数は人々の希望の最初の指標である。子供や若者がいなければ、国は未来への意欲を失う」と述べ、イタリアの低出生率に警鐘を鳴らしたと報じている。

 日本も他人事ではない。総務省のデータによると、65歳以上の人口が全体の29.3%を占めており、これは世界で最も高い。

 高齢化が進むと、労働力人口が減少し、経済成長が鈍化するリスクが高まる。さらに、年金や医療費などの社会保障費が増加し、若年層に対する負担が増える。これにより、若い世代が結婚や子育てを避ける傾向が強まり、出生率のさらなる低下を招く悪循環が生じる。

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 日本の岸田文雄首相は、少子化対策を最優先課題とし、年間3.5兆円を子育て支援に投入する計画を発表している。だが、アルジャジーラは、こうした対策が効果を上げるかどうかは不透明だと指摘する。

 英ガーディアン紙(2月28日)は、「多くの若い日本人は、将来の見通しの立たない仕事や、給料の伸びよりも速い生活費の上昇、両親がともに働きにくい企業文化などを理由に、結婚や家庭を持つことに消極的であると述べている」と報じる。

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Text by 青葉やまと