飲食にかける時間、日本人はフランス人とアメリカ人の間くらい OECDランキング

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◆フランスの長い食事時間、もはや「1日の主要な活動」
 一方、食事に多くの時間を費やす国は主にヨーロッパに集中している。なかでもフランス、イタリア、スペインなどは食文化が非常に発達しており、食事が単なる栄養摂取ではなく、社交やリラックスの時間として重要視されている。フランスの2時間13分は、最短のアメリカの1時間2分と比較して、倍以上の時間に相当する。

 ローカル・フランス版は、フランスのレストランでは3品のコース料理を数時間かけて楽しむことが一般的であり、ウェイターから急かされることもない、とする。アメリカとの食環境の違いは、フランス人が食事を通じて人間関係を深めることを重視していることも示しているようだ。

 なお、豪SBSによると、フランスでは午後から夕方にかけて、「グテ」と呼ばれる間食の習慣がある。大人の場合はワインやチーズ、パンなどをつまむ。3食以外にこうした時間を設けていることも、飲食の時間を伸ばしている要因となっていそうだ。

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 ガーディアン紙によると、多忙化する現代でも食事時間は損なわれていない。そればかりか、1986年から2010年にかけて、1日の食事時間は13分も伸びたという。調理に費やす時間も考慮すると、食に大きな時間を割いていることになる。フランス・カシャンに位置する高等師範学校の社会学者、ティボー・ド・サン・ポル氏は2006年、雑誌エコノミー・エ・スタティスティックへの寄稿で、「食事に直接関連する家事労働の時間を足すと、これは1日の主な活動のひとつである」と述べている。

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Text by 青葉やまと