飲食にかける時間、日本人はフランス人とアメリカ人の間くらい OECDランキング

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◆アメリカの飲食時間、なぜ短い?
 アメリカやカナダなどの国々は、食事時間が非常に短い傾向にある。アメリカの場合、合計食事時間は1時間2分となっている。仮に1日3食に均等に割り振ると、1回の食事にほぼ20分しかかけていない計算だ。こうした北米の国では、食事が効率的に済まされることが多く、ファストフード文化の影響も大きいと考えられる。忙しい生活のなかで、食事にかける時間が短くなる傾向があるようだ。

 欧州メディア『ローカル」フランス版は、アメリカでは食事は迅速に済ませるべきものとの認識があり、レストランでの食事も「入って、食べて、出る」と速やかに済ませることが一般的だ、と解説する。同じくフランスのコネクション紙も、アメリカの食事文化はフランスのように食事を長時間楽しむというよりは、必要な栄養を迅速に摂取することに重点を置いているとみる。

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 ガーディアン紙は、アメリカでは個人で別の作業をしながら、平行して食事を済ませることが多いと指摘する。たとえば、車の中やデスクで済ませるなどだ。フランスの社会学者であるティボー・デ・セイント・ポル氏は、「フランスでは食事は一日のなかで最も楽しい時間の一つとされているが、アメリカではそうではない」と述べている。

 アメリカの食事時間の短さは、肥満率の高さとも関連している。OECDの調査によれば、アメリカの成人の38%が肥満であるのに対し、フランスでは15.3%に留まる。

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Text by 青葉やまと