「寿命が長い都道府県」ランキング 「長寿県」「短命県」それぞれの理由は?
◆1位からワースト1位に転落の沖縄県
変化の激しい都道府県として、沖縄県がある。沖縄県はかつて長寿県として知られていたが、現在はその地位を失いつつある。特に男性の平均寿命は1985年の1位から43位にまで低下している。
理由としては、食生活の変化の影響が大きい。沖縄はかつて、野菜や魚、豆腐などを中心とした低カロリーで栄養価の高い食事が主流だったが、近年ではファストフードや高カロリーの食事が増えている。田辺氏らによると、特に若い世代に顕著で、肥満率の上昇が見られる。
また、運動不足も一因とされている。ドイツの国際放送局であるドイチェ・ヴェレは2022年、沖縄県の傾向を報じている。以前はウォーキングや農作業などで自然に体を動かす機会が多かったが、現代では自動車の利用が増え、運動量が減少しているとの指摘がなされた。
さらに、ストレスの増加も無視できないと述べる。沖縄はかつて「ゆいまーる」と呼ばれるコミュニティの支え合いが強く、ストレスが少ない環境だった。しかし、現代の沖縄ではせわしない生活スタイルが広がり、ストレスが増加しているという。
以上のように、都道府県によって生活習慣や食習慣に違いがあり、それが平均寿命に影響している。見方を変えれば、住んでいる場所にかかわらず、長寿につながる習慣を意識することで、健康で長生きできるライフスタイルに変えられる可能性がある。
寿命には遺伝的要因も影響するが、田辺氏らは、「遺伝子の影響は2割程度であり,残りは生活習慣や生活環境の影響で決まる」と指摘する。運動、喫煙、塩分の摂取などの習慣を見直すことで、長生きに一歩近づくことができるかもしれない。