ゲーテの名言10選 仕事や人間関係に疲れたあなたへ贈る言葉
作家・詩人・自然科学者・政治家…幅広い分野で活躍し、数多くの作品と名言を残してきたゲーテ。彼の思想は、同じ時代を生きた革命家のナポレオンや、天才作曲家のベートーヴェンらにも大きな影響を与えたといわれている。
本記事では、時代を超えても色褪せないゲーテの名言を紹介する。あなたが困難を感じたとき、乗り越えるためのヒントになれば幸いだ。
目次
ゲーテのプロフィール
名前 | ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe) |
出生地 | ドイツ連邦共和国ヘッセン州 フランクフルト・アム・マイン |
生年月日 | 1749年8月28日 |
没年月日 | 1832年3月22日(82歳) |
代表作品 | 小説『若きウェルテルの悩み』 小説『親和力』 戯曲『ファウスト』 科学『色彩論』 |
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、ドイツを代表する文豪だ。世界各国で戦争が勃発し、独立革命や産業革命などの大きな社会変動が起きた時代を生きた。彼の思想は多くの人々の共感を呼び、新しい発想を生み出すヒントを与えた。
文学の域を越えて、科学や政治の世界でも独自の理論を展開させたゲーテ。ここからはゲーテの生涯と彼が残した名言の数々について紹介する。
ゲーテの人生
ゲーテは、ドイツのフランクフルトにある裕福な家庭に生まれた。教育熱心な父の元で英才教育を受けて育った彼は、特に語学の分野を得意とした。少年時代には母国語のドイツ語のほか、英語やイタリア語など、計7カ国語を習得したとされている。
幼い頃からゲーテの身近にあった芸術や文学は、彼の人生で唯一無二の才能として開花することになる。ゲーテのさまざまな顔を職業別に見ていこう。
文豪としてのゲーテ
記録に残る最も古いゲーテの作品は、彼が8歳のときに祖父母に宛てて書いた詩である。幼少期から詩作を得意としており、周囲からも好評だったという。
友情と恋愛の苦悩を描いた『若きウェルテルの悩み』は、ゲーテが25歳のときの作品だ。主人公に感化された若者が自殺する社会現象が起こるほど、異例の大ベストセラーとなった本作は、現代もなお読み続けられている不朽の名作である。
その後政治活動のため執筆は中断されるが、小説『ウィルヘルム・マイスターの修業時代』を機に47歳で再開。旅行記や詩集、恋愛小説を手がけたほか、20代から構想を練っていた戯曲『ファウスト』を、亡くなる直前に完成させ、82年間の生涯に幕を閉じた。
政治家としてのゲーテ
作家・詩人として大成功を収め、ヨーロッパで名の知れる存在となったゲーテは、ある日カール・アウグスト公という人物に出会う。ザクセン=ワイマール公国(現在のドイツ中部)の君主である彼に招待されたゲーテは、滞在するうちにワイマール公国を気に入り、そのうち政務を任されるようになる。
大学で法律を学んだゲーテは政界でも手腕を発揮し、33歳という若さで宰相(現代の総理大臣)にまで登りつめた。
科学者としてのゲーテ
学生時代、自分で実験器具を揃えるほど自然科学に関心があったゲーテは、文学や政界で活躍する傍らでさまざまな研究を続けていた。地質学や植物学・解剖学など、幅広い分野で著作を残したゲーテだが、なかでも20年という歳月をかけて研究を重ねたのが『色彩論』である。
色の生成には光と闇があるというゲーテの主張は、同じく色彩について研究していたニュートンの主張と相反しており、世間からも認められなかった。しかし、より感覚的に色彩を捉えたゲーテの理論は「知覚心理学」の先駆けと考えられるようになっている。
心に響くゲーテの名言10選|英語と和訳で紹介
ゲーテが残した作品には、我々の心を希望に導く言葉が数多く存在する。ここでは彼の名言を、テーマ別に英語と和訳で紹介する。
仕事がうまくいかないときに聞きたいゲーテの名言
仕事で失敗をしたり、やる気が出なかったりするときに聞きたい名言を紹介する。
He who moves not forward, goes backward.
前進をしない人は、後退をしているのだ。
人は失敗や変化をおそれて現状維持を求めがちだが、時間とともに周囲の環境は変化し続けている。成長するためには、常に目標を掲げて生きることの重要性を教えてくれている。
Fresh activity is the only means of overcoming adversity.
逆境に打ち勝つ唯一の方法は、新しい活動である。
思うように事が進まず、試練が立ちはだかるとき。これまでのやり方を見直して、違う角度から物事を見てはどうだろうか。思いがけないアイディアが生まれるかもしれない。
人間関係に悩んだときに聞きたいゲーテの名言
職場や学校生活など、どこにいても人間関係の悩みはつきないものだ。そんなときに心を軽くする名言を紹介する。
Self-knowledge comes from knowing other men.
他人を知ることで自分自身の理解が深まる。
違う人間である以上、相手の全てを理解するのは困難だ。しかし、他人の価値観に触れて「自分とは違う考えの人もいる」と気づけば、自分自身をより深く知るよいきっかけになるだろう。
Certain defects are necessary for the existence of individuality.
欠陥のあるものは、その人の個性を形成するために不可欠だ。
相手の欠点にばかり目がいってしまうときは、ひとつの個性として受け入れることが重要だ。完璧な人間などいない。よいところを積極的に探して、ぜひ相手に伝えてみよう。
自信を無くしたときに聞きたいゲーテの名言
他人と比べて自信を無くしたり、失敗して落ち込んだりしたときに、そっと心に寄り添ってくれる名言を紹介する。
Magic is believing in yourself, if you can do that, you can make anything happen.
魔法使いになるには、要は自分が信じられるかどうかだ。信じられたら何事も可能だ。
自分の可能性を信じてさまざまな分野で活躍したゲーテだからこそ言える、説得力のある名言だ。「どうせ自分なんて」と限界を決めずに、まだ見ぬ自分を信じるところからはじめよう。
If you’ve never eaten while crying you don’t know what life tastes like.
涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の本当の味はわからない。
泣きながら食事をするほどの辛い経験は、やがて人生の糧となり、いつか役に立つ日がくるだろう。絶望に打ちひしがれているときは、ぜひこの言葉を思い出してほしい。
恋愛・夫婦関係がうまくいかないときに聞きたいゲーテの名言
恋人や夫婦関係に悩むときは、数多くの女性と恋愛を重ねてきたゲーテの名言を思い出してほしい。
Happiness is a ball after which we run wherever it rolls, and we push it with our feet when it stops.
幸せとは、転がれば追っかけるが、止まれば足で蹴っ飛ばしてしまうようなボールだ。
パートナーと一緒にいる時間が長くなればなるほど、存在が当たり前になり、喧嘩も増えてしまいがちだ。しかし、居なくなってから求めるのでは遅い。目の前にいる相手を大切にしたくなる名言だ。
He is the happiest, be he king or peasant, who finds peace in his home.
国王であれ、農民であれ、家庭に平和を見いだせる者が、もっとも幸せである。
地位の高さや財力の有無に関わらず、家に帰れば笑顔で迎えてくれる家族がいるのは非常に幸せなことだろう。外の世界の疲れを癒す「安心できる場所」を作りたくなる、心温まる名言だ。
新しいスタートを切りたいときに聞きたいゲーテの名言
新生活のはじまりや、初めてのことに挑戦するとき、期待と同時に不安な気持ちを抱く人が多いだろう。不安を解消し背中を押してくれる、ゲーテの名言を贈る。
Whatever you can do or dream you can, begin it. Boldness has genius, power and magic in it.
あなたにできること、あるいは夢見ていることがあれば、今すぐ始めなさい。向こう見ずは天才であり、力であり、魔法です。
先のことばかり考えていると、慎重になりすぎて一歩を踏み出せなくなるものだ。やりたいことがあるなら、まずは行動に移してみること。新しい世界があなたを待っているだろう。
Plunge boldly into the thick of life, and seize it where you will, it is always interesting.
躍動する暮らしに飛び込め、そしてやりたい事をやれ。世の中は興味ある事で満ち溢れている。
いまの暮らしが退屈だと感じたら、それは新しく物事を始めるチャンスなのかもしれない。あなたが思う以上に世界は広く、まだ知らないこともたくさんあるだろう。自分の人生を変えられるのは、自分しかいないことに気づかせてくれる名言だ。
ゲーテについてもっと知りたい人におすすめの作品
ゲーテの考えをより深く知りたくなったら、彼の著書や関連作品を読んでほしい。ここでは紹介しきれない名言もたくさんあるため、あなたの心に響く言葉がきっと見つかるだろう。
『若きウェルテルの悩み』(新潮文庫)
出典:Amazon
1774年に刊行されたゲーテの代表作品で、今もなお世界中で読み続けられている名作である。リアルな心理描写で書かれた主人公ウェルテルの苦悩は、現代の若者からも多くの共感を呼んでいる。
『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ: 文豪の名言対決』(草思社文庫)
出典:Amazon
希望を語るゲーテと絶望を語るカフカ。対照的な小説家2人の名言に解説を加えた、ありそうでなかった1冊だ。絶望の底から希望をつかもうとしている人、もしくはその逆の人、それぞれに読んでほしい作品である。
『ゲーテさんこんばんは』(集英社文庫)
出典:Amazon
ゲーテの人柄について分かりやすく書かれている作品。これを読めばゲーテという人物をより身近に感じられるだろう。ゲーテの著書と一緒に読むのがおすすめだ。
前を向きたいときは、ゲーテの名言を思い出そう
作家として大成功をおさめ、政界や科学界にも進出した多才なゲーテだが、若い頃から恋多き男だったという。死してなおゲーテの言葉が我々の心に響くのは、彼自身、悩み傷ついてきた人生だったからかもしれない。
困難にぶつかったときはゲーテの名言を思い出してほしい。きっとあなたの人生の支えとなってくれるだろう。
あなたにおすすめの記事
◆ニーチェの名言ランキング 人生を豊かにするために学びたい哲学と思想
◆シェイクスピアの名言|四大悲劇を描く劇作家の言葉を英語付きで紹介