世界一危険な虫20選 ヒアリやイラガなど日本に生息する虫たちも紹介
世界の至る所に生息し、人々に甚大な被害をもたらしている危険な虫たち。刺されたり咬まれたりすると強い痛みや感染症を引き起こし、症状が悪化した場合は、命が奪われる危険性もある。
この記事では、世界各地に生息している危険な虫を20匹紹介する。記事を読むことで、危険な虫たちの種類や生態を知ることができるだろう。
※昆虫の生体や幼虫の画像を掲載しています。苦手な方はご注意ください。
世界の国々に生息する危険な生物たち
世界にはアリやハチ、サソリなど、毒の攻撃や感染症によって人を死に至らしめる危険生物たちが生息している。悪い一面ばかりが認知されている危険生物たちだが、人の血を吸う蚊やアブなどを除けば、こちらから危害を加えない限り人間を襲うことは少ない。
私たち人間がこれらの危険生物たちから身を守るためには、安易に近づいたり、直接手に触れたりしないことが大切だ。
世界一危険なアリ
アリは体長1ミリから30ミリほどの小型の昆虫で、世界で推定20,000種以上、日本でおよそ300種が生息している。
ここからは、世界の国々に生息しているアリの中から、とくに危険な生物たちを紹介する。
ヒアリ
ヒアリは、中国やアメリカに生息しているアリで、赤茶色のツヤツヤとした体が特徴である。日本では2017年6月にヒアリが初めて確認され、海外からの船や飛行機に積まれた貨物が原因とされている。
刺されると猛毒によってアレルギー症状が引き起こされ、死亡事例も発生していることから、別名「殺人アリ」とも呼ばれている。
グンタイアリ
グンタイアリは、アメリカ大陸やアフリカ大陸などの熱帯雨林地域に生息しているアリである。一般的なアリとは異なり、巣を作らず軍隊のように隊列を組んで移動する。
毒性や痛みはそれほど強力ではないが、獲物には何度もしつこく食らいつき、牛や馬などの大型動物にもひるむことなく立ち向かい、難なく食い殺す。
サシハリアリ(パラポネラ)
サシハリアリは、ニカラグアやパラグアイなどの熱帯雨林地帯に生息するアリである。アリの中でもとくに大きな体を持ち、体長は25ミリから28ミリにものぼる。
刺されると銃で撃たれたような激痛が24時間続くとされ、別名「Bullet Ant(銃弾アリ)」とも呼ばれている。
ブルドッグアリ
ブルドッグアリは、タスマニアのようなオーストラリアの乾燥地帯を中心に生息するアリである。ギネス・ブックが世界で最も危険なアリとして認定したほどの凶暴な性格で、人を死に至らせるほどの強力な毒針が特徴。
ブルドックのような大きなアゴや20センチ以上も跳ぶジャンプ力を持つことから、「ブルアント」「ジャンピングアント」とも呼ばれる。
世界一危険なハチ
ハチは集団で巣を作り、女王蜂を中心に階層を形成して生活を送る社会性昆虫である。
ここからは、世界の国々に生息しているハチの中から、とくに危険な生物たちを紹介する。
オオスズメバチ
オオスズメバチは、蜂の中でも世界最大級の大きさを誇る大型のハチである。山間部の木の根元などに巣を作り、夏から秋にかけて活発に活動する。
非常に強力な毒と凶暴な性格を持ち、人間が刺された際は、1度だけでも死に至ることがある。
アフリカナイズドミツバチ
アフリカナイズドミツバチは、アメリカやブラジルなどの北米や中南米に生息するハチである。元来はミツバチをいうこともあり、中央アメリカでは養蜂に使用されている。
強い毒性は持っていないが、敵を集団で攻撃する凶暴な性格で、別名「キラービー」の異名を持つ。
世界一危険なサソリ
サソリは、クモ綱のサソリ目に分類される多足類の生物で、体の前にハサミ、体の後ろに針を持つ。
ここからは、世界の国々に生息しているサソリの中から、とくに危険な生物たちを紹介する。
サウスアフリカンジャイアントファットテールスコーピオン(ジャイアントデスストーカー)
サウスアフリカンジャイアントファットテールスコーピオンは、南アフリカの砂漠地帯に生息する巨大なサソリである。体長は約110ミリほどで、太く大きい毒針と尾の先から毒液を噴射できるのが特徴。
世界でも有数の危険生物として知られ、別名「ジャイアントデスストーカー」とも呼ばれている。
キイロオブトサソリ
キイロオブトサソリは、中米や北アフリカ周辺に生息するサソリである。体は黄色や緑色をしており、細いハサミと太い尻尾を持つ。
動きは非常に俊敏で、毒性の針で刺されると神経が麻痺し、場合によっては窒息死する危険性もある。
世界一危険なクモ
クモは、クモガタ綱のクモ目に分類される多足類の生物で、糸や毒で小型動物を捕食する。
ここからは、世界の国々に生息しているクモの中から、とくに危険な生物たちを紹介する。
クロドクシボグモ
クロドクシボグモは、体長5~8センチほどの大型のクモで、アルゼンチンやブラジルなどの中南米に生息している。夜行性で、夜になるとジャングルの地面を徘徊し、住宅の物陰やバナナの中に身を潜めて獲物を狙う。
また、1匹で人間数十人殺せるほどの非常に強力な毒を持ち、世界最強の毒グモともいわれている。
ドクイトグモ
ドクイトグモは、北アフリカの乾燥地帯に生息する毒グモである。体は薄茶色で、個体によっては胸と頭の後ろに黒いバイオリン形の模様がある。
人間が咬まれると毒によって周辺の組織が壊死し、過去には死亡例も確認されている。
カバキコマチグモ
カバキコマチグモは、チマキ状のクモの巣を作るのが特徴の毒グモである。体が黄色いことから、その名が名付けられた。
黒い口には神経毒が備わっていて、咬まれると強い痛みや吐き気、頭痛、発熱、呼吸困難といった症状を伴う。
世界一危険な蚊
蚊は、世界に約2,500種~3,000種が存在し、花の蜜や人間の血などを吸う吸血昆虫である。
ここからは、世界の国々に生息している蚊の中から、とくに危険な生物たちを紹介する。
ハマダラカ
ハマダラカは、世界の熱帯地域を中心に生息している蚊の一種である。高熱や頭痛、吐き気を引き起こすマラリアを媒介する。
日本でマラリアを発症した例は報告されていないが、世界では年間3~5億人が感染し、そのうち90%がアフリカでの感染である。
ネッタイシマカ
ネッタイシマカは、アフリカなどの熱帯地域を中心に生息している蚊の一種である。一般ではヤブカと呼ばれ、バケツや古タイヤなどの水たまりで生育する。
高熱や頭痛、筋肉痛などを引き起こすデング熱や黄熱、ジカ熱など、さまざまな感染症を媒介する。
世界一危険な幼虫
危険生物の幼虫は、一般的な幼虫にはない毒のある体毛を持ち、触れると痛みや湿疹などを伴う。
ここからは、世界の国々に生息している幼虫の中から、とくに危険な生物たちを紹介する。
サザンフランネルモスの幼虫
サザンフランネルモスは、北アメリカ大陸などの熱帯地区に生息している毒蛾である。幼虫の体はふさふさとした長い毛で覆われていて、体毛はすべて猛毒が備わっている。
人間が幼虫の体に触れると炎症を引き起こし、最悪の場合呼吸困難などで死亡する可能性もある。
ヒトヒフバエの幼虫
ヒトヒフバエは、中南米を中心に生息しているウマバエの一種である。成虫のハエが蚊やダニに卵を生み、これらの虫が吸血する際に卵が人間に付着する。
卵が孵化すると人間の皮膚の中に寄生して発育し、痒みや痛み、感染症などを引き起こす。
イラガの幼虫
イラガは、毒のトゲを持つ黄緑色の毒蛾で、7月から8月頃に多く見られる。幼虫はライムのような緑色の体をしており、「キントキ」や「蜂熊」など、地方によって呼び名が異なる。
触れると痺れたような激痛が走り、皮膚に炎症を引き起こす。
世界一危険なムカデ
ムカデは、多くの脚を持つ節足動物で、3,000以上の種類が記録されている。
ここからは、世界の国々に生息しているムカデの中から、とくに危険な生物たちを紹介する。
ペルビアンジャイアントオオムカデ(ナンベイオオムカデ)
ペルビアンジャイアントオオムカデは、南米の熱帯雨林地帯に生息している世界最大級のムカデである。その体長は、通常でも20~30センチにのぼり、最大で40センチを越える個体もある。
自分より何倍も大きい獲物を数秒で殺してしまう強力な毒と強い攻撃性を持ち、世界でも有数の危険生物として知られている。
トビズムカデ
トビズムカデは、日本にも生息している巨大なムカデである。体長は通常で8~15センチ、最大で20センチ近くにものぼり、日本産のムカデでは最大級の大きさを誇る。
咬まれると患部が赤く腫れあがり、激しい痛みを発症する。症状がひどい場合は、発熱やめまいなどの症状も現れ、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もある。
世界一危険なハエ
ハエは、感染症やウイルスなどを媒介する衛生害虫で、3,000以上の種類が記録されている。
ここからは、世界の国々に生息しているハエの中から、とくに危険な生物たちを紹介する。
ウマバエ
ウマバエは、アフリカや東南アジアなどの熱帯地域に生息している大型のハエである。体は赤や黄色の体毛を備えていて、姿はアブやハチに酷似している。
前述したヒトヒフバエと同様に、蚊やダニなどに卵を生み、それらの生物が人間を刺すことで体内に寄生する。
ツェツェバエ
ツェツェバエは、人間の血を吸う巨大な吸血バエである。体長は5~10ミリ程度で、熱帯雨林や乾燥地など、種類によってさまざまな場所に生息している。
睡眠周期が乱れて昏睡状態に陥るアフリカ睡眠病は、ツェツェバエに吸血されることで発症する。
世界の国々に生息している危険な虫に注意
世界には強力な毒を持っていたり、感染症を媒介したりする虫たちが存在する。これらの危険生物たちから身を守るには、安易に近づいたり、触ったりしないことが大切だ。
万が一、毒が体に入ったり感染症にかかったりすると死に至る可能性もあるので、仕事や旅行で世界の国々を訪れる際は十分注意して欲しい。
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