アメリカの若者が「移住したい国」、日本3位 言語習得にも積極姿勢

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◆アメリカと日本の若者に共通するもの
 では、日本国内ではどのような現象が起こっているのだろう。日本の若者の動きに目を向けてみると、2010年代から若者が過疎地域に転入する現象がみられていることがわかる。これは、田園回帰と呼ばれている。田園回帰をする人の多くは、やりがいや将来的な希望、持続可能な生活を過疎地域に見出し、人でごった返す雑多な大都市では見つけられなかった心の余裕を求めて移住する。そして、既存の地域社会と共生しながら、生まれ育った場所では叶えられなかった夢を叶えようとしている。

 生まれ育った場所を飛び出して、新しい環境で自分の望む生活をつかみ取りたいと思う気持ちはアメリカの若者も日本の若者も同じだ。

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 法務省によれば、2022年に日本に移住したアメリカ人は6642人。ここ数年で、日本への移住者はわずかだが増加傾向にあるという。その移住者に、日本での生活についてインタビューしたビジネス・インサイダーの記事によれば、アメリカでは得ることができなかったが日本では享受できるものとして、「安全」「国民保健」「近隣の人の優しさ」「交通機関などの利便性」が挙げられている。どれも、自分自身の決断で日本というまったく異なる文化と言語を持つ国へ移住した勇気によってもたらされたものだ。

 この調査により、現状に満足することなく、将来の安定を求めながらも異なる文化や環境のなかで、自分の力で人生を充実させたいというZ世代の貪欲な姿が浮き彫りになったと言えるだろう。

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Text by 西尾裕美