「日本人のようにバック駐車したほうがいいの?」前向き主流の米では論争
自宅や外出先の駐車場に車を停める際、バック駐車をする(バックしながら、車の後ろ側から駐車スペースに入庫する)人が日本では多数派だ。当然のように行っている駐車スタイルだが、アメリカでは頭から突っ込む「前進駐車」が一般的となっている。
日本でバック駐車が普及した背景には、狭い駐車スペースで安全性を確保するという面が大きいだろう。だが、実は先進的な駐車方法と言えるのかもしれない。アメリカでは自動車団体が、安全性のため日本のようなバック駐車を行うよう推奨している。一方、バック駐車は時間がかかり、ショッピングモールの駐車場などで後続車を待たせてしまうことから、拒絶感を持つ人々も多いようだ。バック駐車派と前進駐車派の議論は尽きる気配がない。
◆安全を優先する日本のバック駐車文化
日本のようにバック駐車で入庫するスタイルはアメリカでは珍しい。いくつかのメディアが、日本独特の駐車スタイルとして取り上げている。国際自動車メディアの『オートモロジー』(2月28日)は、日本ではバック駐車が主流であり、その理由として駐車スペースが狭いことに加え、安全を優先するためでもあると報じている。「(日本では)不文律として、駐車場では車をバックさせて駐車しなければならないことになっている。ドライバーは出庫の際、やって来る車を確認しやすくなる」との解説だ。
日本在住の自動車コンサルタントであるハロルド・アーチャー氏も、ビジネス用ソーシャルメディア『リンクトイン』(2018年9月12日)への投稿を通じ、一定の技量を要するバック駐車が日本では標準的になっていると述べている。「たとえパーキングアシストや自動駐車を使わなくても、彼らは確実にバックで駐車している」と日本の駐車事情を説明している。バック駐車は駐車時に多少苦労するが、後で素早く出庫できる利点がある。氏は、この事実を日本人の民族性と関連付けて考えたようだ。日本の人々は「今使って後で払う」習慣を良しとせず、「今働いて後で笑う」ことを好むと論じている。