あわや衝突、ニアミスしていた小惑星 接近も気づかず 都市消滅の危険

Vadim Sadovski / Shutterstock.com

♦︎よりエレガントな解決法とは?
 以上の手法はいずれも、小惑星自体に直接手を加えるものだ。しかし、地球との衝突まで数年間ほどの時間的猶予がある場合には、「重力トラクター」と呼ばれる手法を用いることができる。目的の小惑星付近に宇宙船または小型の探査機を航行させ、機体の重力場によってゆるやかに小惑星の軌道を逸らすというしくみだ。ワシントン・ポスト紙は、「非常にエレガントなソリューション」だと賞賛する専門家の声を紹介している。

 Space.comでもこの手法を取り上げており、その実現には小惑星との衝突まで数年から数十年の猶予が必要だと述べている。しかしNASAの主任科学者も言及するなど、有力な解決法の一つとなっているようだ。

次のページ 10年以内に超接近再び




Text by 青葉やまと