あわや衝突、ニアミスしていた小惑星 接近も気づかず 都市消滅の危険
♦︎衝突までのシナリオは?
では、小惑星の落下は、どのようなメカニズムで発生し得るのだろうか。広大な宇宙空間で地球と小惑星の軌道が偶然に交差するというよりは、小惑星が地球の引力によって引き寄せられてしまうというのが現実的なシナリオだ。フォーブス誌は、キーホール(鍵穴)という用語でこの現象を説明している。地球の重力場のなかにキーホールと呼ばれる領域が存在し、ここに小惑星が突入すると、その軌道は地球側に大きく引き寄せられる。これにより、早ければ数年後に起きうる次回のフライバイの際、地球に落下する可能性が高まるというわけだ。
このような事態を防ぐため、潜在的に危険な小惑星の把握が進められている。宇宙関連のニュースを伝える『Space.com』によると、NASAでは地球付近をフライバイする直径1キロ以上の小惑星について、その90%以上をすでに発見している。さらに今後は宇宙空間に赤外線カメラを打ち上げ、熱によって小惑星の接近を検知するプロジェクトも計画されている。