あわや衝突、ニアミスしていた小惑星 接近も気づかず 都市消滅の危険
2020 LDのサイズは、恐竜絶滅を招いた隕石ほどではない。しかし、小惑星の監視の重要性が叫ばれるのには理由がある。地球に落下すれば都市を滅ぼすほどの威力を持つと言われる小惑星が、2019年にも地球に接近していたのだ。
♦︎2019年にも来ていた「都市壊滅小惑星」
2019年7月、ある小惑星が地球をフライバイ(接近通過)し、のちに「2019 OK」と命名された。小惑星のサイズについてNASAジェット推進研究所は、直径60〜130メートルほどだという観測結果を公表している。地球への近接度では2020 LDを上回り、月までの距離のおよそ20%にまで近接していた。仮に地球の引力に引き寄せられて地上に落下していたならば、「その爆風は直径50マイル(80キロ)ほどの範囲に局所的な壊滅状態をもたらしていた可能性がある」とジェット推進研究所は分析している。
その衝撃は、一つの都市をまるごと消滅させるほどだ。ワシントン・ポスト紙(7月26日)はオーストラリアの天文学者の見解として、「もし当該の小惑星が地球と衝突していたならば、その大部分はおそらく地表に到達し、破壊的な被害を引き起こしていただろう」との見方を伝えている。2019 OKのケースでも発見は遅れ、サイズと軌道が公にされたのは最接近のわずか数時間前のことであった。このように地球に非常に接近する小惑星は、非公式に「シティーキラー・アステロイド(都市破壊小惑星)」と呼ばれ、深刻な被害が懸念されている。