1000年前の種から聖書にある「治療薬」の樹が復活か 研究
◆1000年の時を越えた芽生え
数週間後、種は約1000年前の眠りから覚め、見事に発芽した。サロン博士はCNNに、「約5週間半経つと、この小さな芽が顔を出したのです」と語っている。発芽後は順調に成長した。ライブ・サイエンスによると、現在では人間の背丈を超え、約3メートルの高さにまで成長している。
サロン博士は、その樹を「シェバ」と名付けた。樹液が樹枝状に固化した「バルサム」を、アラビアからソロモン王に献上した、シェバ女王(シバの女王とも)に敬意を表してのことだ。
シェバの成長過程を通じ、研究チームはその形態学的特性を丹念に観察した。シェバは薄い紙状の樹皮を持ち、緑色の表皮が露出している。落葉性であり、12月から4月の涼しい時期に葉を落とすことが分かった。
ただしCNNによると、まだ花を咲かせたり種子を実らせたりしていない。このため、研究チームをもってしても完全な同定にはいまだ至っていないという。