一人っ子家庭の理由は多種多様 一人っ子は利己的で甘やかされた大人にはならない
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著:Amy Brown(スウォンジー大学、Professor of Child Public Health)
あなたは一人っ子の親だろうか? それとも将来、子供を持つことを考えていて、家族の人数をどうすべきか悩んでいるだろうか?
一人っ子の親は、まるで次の子を計画するのが当然の義務であるかのように、「二人目はいつ?」と頻繁に聞かれる。イギリスでは現在、家族の約45%が子供一人という構成であるにもかかわらずだ。
一人っ子に関する私の新著のための調査で、子供が一人の親3000人以上に、その決断の背後にある理由を尋ねた。一部の親にとって、子供を一人にすることは意識的な選択だった。一人っ子家庭がもたらす生活スタイルやバランスを享受していたり、環境問題への配慮から家族の規模を抑えたいと考えていたりした。また、自身の兄弟姉妹との関係が困難であったり疎遠であったりしたことが、この選択を後押しする場合もあった。
しかし、中には二人以上の子供を望んでいた親もいた。諸事情により、もう一人産むことが叶わなかった、あるいは産まないという決断を下さざるを得なかったのだ。
その理由は、しばしば非常に個人的なものだった。不妊に悩む親もいれば、流産や死別を経験し、その子が「今ここにいる」唯一の子供であるというケースもあった。また、妊娠が非常に困難だったり、出産がトラウマになったりしたために、身体的・心理的にもう一度妊娠を経験することができない親もいた。
生活費の高騰も決断に影響を与えていた。保育料や住居費、雇用の不安定さから、もう一人育てる余裕がないと判断した人は多い。また、パートナーとの別離や死別を経験した人もいた。障害やがんなどの深刻な病気を含む、親や子供の健康上の問題も一般的だった。
産後の期間にいかに苦労したか、睡眠不足や授乳の悩み、孤独感、そしてその結果としての産後うつについて語る母親もいた。自分はもう一人欲しかったがパートナーが望まなかった、あるいは育児の方法をめぐって深刻な意見の相違があったという親もいた。
家族や友人、さらには遠慮なく踏み込んでくる見知らぬ人に対して、理由を説明し、自分を正当化しなければならないと感じることは、明らかに苦痛を伴う。さらに、一人っ子の親は、一人っ子は孤独になりやすい、わがままに育つ、あるいは友達が作れなくなるといった話を耳にすることが多いだろう。
だが、これは断じて真実ではない。こうした「一人っ子家庭(多くの人が好んで使う呼称だ)」にまつわる神話は古くから存在するが、それを裏付ける証拠はどこにもないのである。
◆一人っ子に関する研究
兄弟姉妹の有無で子供の発達に差があるとした数少ない研究は、しばしば規模が小さく、欠陥があるか、あるいは子供を増やすべきだという社会的・政治的な圧力が強かった時代に行われたものだ。
より最近の研究では、差はほとんど見られない。一人っ子が社会的スキルに劣ることはないし、より利己的であったり自己愛的であったりすることもない。また、人生の幸福度が低いわけでもない。一人で過ごす時間は長いかもしれないが、自身を孤独だと感じる傾向が強いわけではない。これは重要な違いである。
実際、一人っ子はしばしば自尊心、情緒の安定、満足感においてわずかに高いスコアを示す。また、創造性、リーダーシップ、好奇心、さらには達成意欲においてもわずかな優位性があることが研究で示されている。
◆子供時代に影響を与えるもの
子供の人生は、実に多様な要因によって形作られる。兄弟姉妹がいない場合、代わりに別のポジティブな機会がその穴を埋めることが多い。一人っ子は、他の親族や友人と絆を深める時間、趣味に没頭する時間、自分のやりたい活動に使える家庭の資金、あるいは単に一人で何かに集中する時間を、より多く持つことができる。生活の形は違って見えるかもしれないが、それが「劣っている」ということにはならない。
どの子供も、遺伝や家庭環境などが重なり合って形づくられた、固有の強みと個性の結晶だ。一人っ子たちの人生においては、兄弟姉妹がいないという共通の経験よりも、個々の人生を左右する背景の違いのほうが、はるかに大きな影響力を持っている。
人々がよく心配するのは、将来、老いていく親の世話をする際に一人っ子が負担を感じるのではないかという点だ。兄弟姉妹が大きな支えになることもあるが、ある研究では、成人した子供が高齢の親のケアを兄弟姉妹に押しつけてしまうケースもあることがわかっている。
兄弟姉妹がいればよかったと願う一人っ子もいるが、兄弟がいれば必ず仲良く助け合えるという保証はない。むしろ、兄弟姉妹にいじめられていると感じる子供は、うつ病や自傷行為のリスクが高まる。私たちが兄弟を欲するとき、本当に求めているのは「良好な関係を築ける支援者」であり、現実は必ずしもそうなるとは限らないのだ。
しかし研究によると、周囲が抱く一人っ子への見方には、依然として偏りがある。ある研究で、架空の一人っ子と兄弟のいる子供の特性を評価させたところ、人々は一人っ子のほうが自己愛が強いと思い込む傾向があった。だが、その思い込みを実際に検証したところ、兄弟の有無によって自己愛のスコアに差はなかった。これは、人々がいかに「一人っ子は自己愛的で利己的だ」というステレオタイプを鵜呑みにしているか、そしてそれが実態とかけ離れているかを示す好例だ。
こうしたステレオタイプは有害であり、何より現実に即していない。家族の形はますます多様化している。兄弟姉妹が何人いるかという数にとらわれるのではなく、どうすればより多くの子供たちが愛され、人とのつながりを感じ、安心して過ごせるようになるかに注力すべきである。
This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.
Translated by NewSphere newsroom
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