英語で学位を取る予定? 母語でない場合に成功するためのヒント
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著:Una Cunningham(ストックホルム大学 、Professor emerita, Department of Teaching and Learning)
毎年、世界中から何百万人もの学生が、母語以外の言語(主に英語)で学位を取得するために学んでいる。2023年には、イギリスの高等教育学生のうち25%が留学生だった。
新しく入学する学生は、英語で教えられる工学、歴史、物理学などの講義を受けるために、すでに、あるいは学習を通じて、英語を第二言語として十分に使いこなせる能力を持つと理解されている。
英語が第一言語でない国でも英語で行われる講義は提供されている。例えばスウェーデンでは、英語が公用語の地位を持たないにもかかわらず、2020年には修士課程の66%が英語で教えられていた。フランスの大学は主にフランス語圏アフリカからの留学生をフランス語で受け入れているが、英語で行われる講義も提供している。
国内外の学生が一緒に学ぶ場では、たとえ留学せずに国内にとどまる学生でも、他国からの学生と出会うことで国際的な経験を得られる。
世界の一部の地域では、現地の言語よりも英語が国内学生に好まれる。その理由は、英語で学ぶことで彼らが将来の職業生活に役立つと信じられているからだ。
◆学習計画
英語で教えられる学位を取得しようと考えていて、それが自分の母語でないなら、母語で学ぶよりも難しいことはすでに分かっているはずだ。
講義についていくのが難しかったり、教材に出てくる馴染みのない語彙にぶつかることもある。学生同士の英語力に差があると、グループワークも大変になる。
講師は学生の英語を助けることに気が進まなかったり、自分を語学教師だとは思っていないことも多い。しかし、学生全員が学んでいる分野特有の言葉を理解する必要がある。
幸い、第二言語で学ぶ上での課題に取り組むために、学生としてできることはたくさんある。
- 学術的なリテラシーを伸ばし続けよう。語彙力の強化は、学術的な文章や講義を理解する鍵になる。
- 読書や講義で出会った重要な概念や表現をリストにして、自分の得意な言語に訳しておこう。辞書を使って正確な意味を確認しよう。
- 割り当てられた課題文献は早めに読もう。読書や講義の際には、どの言語でも構わないので、整理されたノートを取ることができる。読書にはテクノロジーを活用できるが、自動翻訳の誤りには気をつけよう。
- 効果的な読書法やノート術を調べよう。大学が提供する学習支援を利用しよう。英語で定期的に文章を書こう。自由記述でも教材の段落の書き写しでもよい。そうすれば文章の流暢さが伸びる。
- 講義の前にスライドを入手できるなら、必ず理解しよう。母語で注釈をつけよう。講義や活動前に教材に慣れておくと、授業中に扱う新しい情報量が減って学習を助ける。
- 可能なら、母語や別の言語を共有する学生と勉強会を作ろう。それぞれが教材を読んで、選んだ言語で議論しよう。講師が要約やスライドを提供していれば、それを授業前後に一緒に話し合い、要点を理解しているか確認しよう。
- 他の学生と協働ノート作成を考えよう。仲間と共有ドキュメントを作成してアクセスし、講義スライドに基づいて補完し合おう(ただし自分の学習を置き換えることはできないと理解しよう)。
- 授業で質問するのをためらうかもしれないが、自分に求められていることを明確にするのは重要だ。質問は講師に難しい点を伝える助けになるし、他の学生も同じ疑問を持っている可能性が高い。
- 書く課題は、まず任意の言語で下書きを作ろう。これはトランスランゲージングと呼ばれ、自分の持つすべての言語能力を使って自由に考える方法だ。英語で簡単に表現できることだけにこだわると、思考が制限されるかもしれない。
すべてを英語だけで学ぶ必要はない。自分の言語的な資源を活用して、機会を最大限に活かそう。
This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.
Translated by NewSphere newsroom
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