人差し指が短いと性的に活発? 岡山大がラットで発見

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 岡山大学の研究グループは、ラットにおいて「人差し指の長さ」が性的な行動傾向と関係している可能性があることを世界で初めて明らかにした。第2指(人差し指)と第4指(薬指)の長さの比率、いわゆる「2D:4D比」が低いオスのラットは、性的により活発である傾向が見られたという。

 研究を行ったのは、岡山大学の坂本浩隆教授(神経内分泌学)の研究グループ。論文は2025年5月、学術誌「Experimental Animals」の電子版に掲載された。

 指の長さが行動傾向と関係するという仮説は、以前から人間においても提唱されてきた。胎児期に浴びる男性ホルモン(アンドロゲン)の量が、その後の2D:4D比に影響する可能性があるとされている。ただし、指の長さと性的な活発さとの関連については、ヒトでは明確に確認されておらず、現在も検証が続いている段階にある。

 今回、林氏らはまず、ラットの前肢の第2指と第4指の長さを計測し、2D:4D比を算出。そのうえで、性的な行動を測るテストを行い、射精に至ったかどうかや、メスの匂いに対する反応などを評価した。

 その結果、第2指が相対的に短く、2D:4D比が低いオスは、射精に成功する割合が高く、メスへの関心も強かった。さらに、第2指の長さに応じてグループ分けした比較でも、同様の傾向が確認された。

 研究チームは、こうした身体的な特徴が、胎児期のホルモン環境の影響を受けて形成され、その後の行動傾向と関連している可能性があるとみている。

 林氏は「ラットでも、指先を見るだけである程度の行動傾向が予測できるとは驚きだった」とコメント。研究代表の坂本浩隆教授も、「指の長さという客観的な指標から性的活発性を予測できる可能性があることが示された」と述べた。

 今回の成果は、身体的特徴と行動の関連性を動物実験のデータから示したものであり、今後は人間への応用や、性的指向・多様性の理解に向けた手がかりとしても注目される。

Text by 白石千尋