アフリカ金融界のリーダー、ウィグウェのレガシー ヘリ墜落事故により死亡

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 2月にアメリカで起こったヘリコプター墜落事故により死亡したアクセス・バンク総裁のハーバート・ウィグウェ(Herbert Wigwe)。遺体はナイジェリアにて1週間の葬儀が執り行われ、埋葬された。彼のレガシーとは。

◆ヘリコプター墜落事故の悲劇
 2月9日、南カリフォルニア州にてヘリコプターが墜落。ナイジェリア最大の銀行グループであるアクセス・ホールディングスのCEOを務めたウィグウェと、その妻、息子、ナイジェリア証券取引所の元会長、そのほか2名を含む乗員・乗客は全員死亡した。ウィグウェとその家族らが亡くなった事実は、世界貿易機構(WTO)の事務局長で、ナイジェリアの財務大臣を務めたンゴジ・オコンジョイウェアラが投稿した追悼のメッセージによって拡散された。一行は、その週末に開催されたスーパーボウル(NFLのチャンピオンチームを決める優勝決定戦)の試合を見るためにラスベガスに向かっていた。

 その1ヶ月後、ウィグウェ、妻のチゾバ(Chizoba)、息子のチジ(Chizi)のためのさまざまな追悼プログラムが1週間にわたってナイジェリア各地で執り行われた。ナイジェリア首都のラゴスでは、彼の功績を讃えるイベントなどが開催され、ウィグウェの故郷、リバーズ州にある教会にて葬儀礼拝などが行われたのち、遺体は同州の出生地にて埋葬された。埋葬にはアフリカ最大の富豪として知られるナイジェリアの実業家アリコ・ダンゴテなどの要人が参列。ダンゴテは同志の友人を亡くしたことを悲しみ、涙を見せる場面もあった。またフランスからはフランク・リエステール外務大臣付貿易・魅力担当大臣が追悼イベントに参加し、「フランスはハーバート・ウィグウェという偉大な友人を失った」というマクロン大統領の言葉を代弁した。クリントン元米大統領も「ナイジェリアの若者にチャンスの輪を広げ、世界中の人道的活動を支援してきたハーバートのコミットメントに対し深く感心していた」とコメントし、追悼の意を示した。

Text by MAKI NAKATA