欧州でスリが最も多い国トップ5 何に気をつけるべきか?

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 ヨーロッパは人気の旅行先だが、毎年何千人もの観光客がスリなどの盗難被害にあっている。イギリスの保険比較サイトが発表した、欧州のスリに狙われやすい国ランキングには、誰もが一度は訪れたいと思う国々がランクイン。旅行を予定している人は、スリが多い場所、被害を防ぐための対策などを知っておく必要がありそうだ。

◆有名観光地は要注意! 意外な国も危険
 イギリスを拠点とする保険比較サイト『クオートゾーン』は2023年にヨーロッパのスリ指数を発表している。これは、観光客100万人あたりのスリの発生件数をもとにしたもので、ワースト5ヶ国は次のようになった。

5位:ギリシャ
パルテノン神殿があるアテネのアクロポリスの丘や、古い町並みが残る歴史地区プラカなどがスリに狙われやすい場所となっている。犯罪率が高いのは都市部だが、サントリーニ島やミコノス島といったエーゲ海の島々でも、油断禁物だ。

4位:ドイツ
安全と思われがちだが、ベルリン、フランクフルト、ミュンヘン、ハンブルクなどの大都市では注意が必要。駅の構内でほんの少しの間でも荷物を放置したときや、混雑した広場などにいるときに、よく盗難が起こる。泥棒たちは暴力的な態度で声をかけて近づいて来ることもよくあり、彼らが過ぎ去ってから、盗まれたと気がつく場合も珍しくない。

3位:オランダ
欧州で9番目に観光客が多い国だが、スリの危険度は3位ということで、犯罪レベルが非常に高いと言える。最も観光客の多いアムステルダムでは、スリは路面電車、バス、フェリーにいる観光客をターゲットにする。また、世界遺産にもなっている運河、夜の歓楽街など混雑したエリアでも、スリが待ち構えている。

2位:フランス
観光客100万人あたり283件のスリが発生しており、世界的にも高い率となっている。エッフェル塔やルーブル美術館周辺、モンマルトルのサクレクール寺院、ノートルダム寺院のあるシテ島など、観光客が集まる地域はスリのホットスポットだ。南部マルセイユでは暴行事件も多い。

1位:イタリア
比類ない文化の豊かさで、欧州で最も人気の国の一つだが、軽犯罪に関しては最も危険だ。フィレンツェのウフィツィ美術館、ミラノのドゥオーモ、ローマのコロッセオ、トレビの泉、パンテオンを訪れた1906人の観光客が盗難にあったと報告している。観光客100万人当たり、463件のスリが発生している。

Text by 山川 真智子