パリ、SUVの駐車料金を3倍に 1時間2900円にも
◆電気自動車でも駐車料金は3倍
二酸化炭素排出削減などのために、ヨーロッパではここ数年電気自動車が推奨され、フランスでもその売れ行きは増加傾向にある。いまや同国市場において電気自動車が占める割合は16.8%にまで上がっている。
環境に優しいはずの電気自動車だが、その要ともいえるバッテリーは重く、250~600キロもある。バッテリーの重量を支えるために、電気自動車の車体もそれなりの重さを持つ。
そのため、電気自動車のなかにも、パリ市の新駐車料金が適用されるものが少なくない。2023年のフランスの新車販売数で8位を記録したテスラのモデルYをはじめ、フォルクスワーゲン、アウディ、BMW、シュコダの電気自動車などが対象となる。ハイブリッド車にも対象となる車種は複数ある。
タクシーの運転手、業者や医療関係者、身体障害者などは、今回の駐車代値上げの対象とはならない。また住区域の駐車定期券を持つパリ市民が、区域内に駐車する際も値上げ料金を払う必要はないという。だが、たとえば、市内に住む高齢の親の送迎を、地方や郊外に住む子供がする場合などは考慮されていない。筆者の友人の子供は、パリの大学に通うため市内に下宿している。引っ越し時は家族が大きなバンで荷物を運んだが、来年卒業しパリを引き払うときはどうすればいいだろうかと今から憂いている。
なお、2月4日の投票率はたったの5.68%だった。イダルゴ市長は、過半数が賛成だったことを強調していたが、この投票は、同氏の求心力のなさをも露呈したように見える。