パリ、SUVの駐車料金を3倍に 1時間2900円にも

Vlad Zymovin / Shutterstock.com

 フランスの首都パリで4日、SUV車など1.6トンを超える車の駐車料金を3倍にする案への住民投票が行われた。結果は賛成が54.55%で、これを受け、イダルゴ・パリ市長は同日夜ワッツアップ上で9月1日からの施行を宣言した。

◆6時間で3万6000円
 ここでいう駐車料金は、基本的に路上駐車のことを指す。私設駐車場がないわけではないが、フランスでは通常駐車する場所といえば路上で自治体が管理しており、駐車可能な場所や料金は自治体が決めるものだ。駐車料金の支払いは、基本的にパーキングメーターでの前払いとなる。

 パリ市の駐車料金は、中心部(1区~11区)とその外側(12区~20区)で異なり、中心部の駐車料金は周辺部の1.5倍である。たとえば、現行の駐車料金は周辺部なら1時間4ユーロ(約650円)だが、中心部では6ユーロ(約970円)だ。また、2時間を超える駐車料金は、1時間の料金に時間をかけたものではない。駐車時間が長ければ長いほど、料金は雪だるま式に膨れ上がる。たとえば、6時間の場合は周辺部でも50ユーロ(約8100円)、中心部では75ユーロ(約1万2000円)となる。

 このように、現行の料金ですら安いとは言えないが、9月からはこれが車両の種類によっては3倍に跳ね上がる。1時間の駐車料金は周辺部で12ユーロ(約1900円)、中心部で18ユーロ(約2900円)に。6時間駐車ともなると周辺部で150ユーロ(約2万4000円)、中心部では225ユーロ(約3万6000円)かかることになる。

 これだけ高いと違反者が続出しそうだが、新施策には、違反した場合の「後払い金」(罰金のようなもの)も3倍になることが織り込まれている。

Text by 冠ゆき