楽器演奏や歌唱、高齢者の脳に好影響 研究

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 高齢になっても、楽器を演奏した経験がある人は、そうでない人より脳の機能が保たれる可能性があることが、研究によって示された。音楽を通して、認知機能の低下や認知症になるリスクを軽減させることができるかもしれないと期待されている。

◆音楽と認知能力の関係は? 英大学が調査
 この研究は、脳がどのように老化するのか、なぜ認知症になるのかを解明するための研究の一環として、イギリスのエクセター大学の科学者たちによって行われた。研究成果をまとめた論文は、医学雑誌「International Journal of Geriatric Psychiatry」に掲載された。対象となったのは、40歳以上、平均年齢68歳の1100人以上で、楽器の演奏、歌、読譜、音楽の聴き方、音楽的能力の影響を調べた。

 研究者たちは、人生で何らかの形で音楽に親しんだ人とそうでない人の認知データを比較しており、その結果、前者の記憶力や実行機能(課題に集中し、計画を立て、自制する能力)が優れていることがわかった。

Text by 山川 真智子