史上最大の類人猿、絶滅の原因が判明 3メートルの巨体が…

Garcia / Joannes-Boyau / Southern Cross University

 古代の類人猿の種が数十万年前、気候変動によって好物の果物が乾燥した季節に手に入らなくなり、絶滅に追いやられた可能性が高いと、科学者が発表した。

 かつて中国南部に生息していたギガントピテクス・ブラッキーは、身長3メートル、体重最大295キロに達する、知られる限りで最大の類人猿である。

 しかし、その大きさが弱点となったかもしれない。

 オーストラリアのサザン・クロス大学の研究者であり、ネイチャー誌に掲載された研究成果の共著者であるルノー・ジョアネス・ボワイヨー氏は、「とても巨大な動物です。本当に、本当に大きいのです」「食料が不足し始めた時、体が大きいため、木に登って新しい食料源を探索することができなかったのです」と述べる。

 現代のオランウータンに似ていると考えられるこの巨大な類人猿は、中国の広西チワン族自治区の森林平原で約200万年にわたって生息していた。彼らは草食で、環境が変化し始めるまで、熱帯林で果物や花を食べていた。

 研究者たちは、広西チワン族自治区の洞窟に残る花粉や堆積物のサンプル、歯の化石を分析し、60万年前ごろからこの地域の季節がより乾燥するようになり、森林の果物が減少したことを突き止めた。

 巨大類人猿はすぐに絶滅したわけではなく、29万5000年前から21万5000年前の間に絶滅した可能性が高いことがわかった。

 小型の類人猿は木に登ってさまざまな食べ物を探すことができたのに対し、巨大類人猿は樹皮やヨシなど栄養のない食べ物を多く食べていたことが、研究者の分析で判明した。

 共著者である中国科学院古脊椎動物古人類学研究所のチャン・インチー氏は、「森林が変化して、この種が好む食べ物が足りなくなったのです」と述べる。

 この絶滅した類人猿について知られていることの大部分は、中国南部で発見された歯と4つの大きな下顎の骨の化石の研究から得られている。完全な骨格は見つかっていない。

 化石の記録から、およそ2200万年前から200万年前までの間に、数十種の類人猿がアフリカ、ヨーロッパ、アジアに生息していたことが明らかになっている。現在残っているのは、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、オランウータン、そしてヒトだけである。

 この研究には関わっていない、スミソニアン自然史博物館・人類起源プログラムのディレクターのリック・ポッツ氏は、最初の人類はアフリカで誕生したが、この類人猿がどの大陸で最初に出現したかはわかっていない、と述べた。

By CHRISTINA LARSON AP Science Writer

Text by AP