安定した老後を送れる国ランキング、日本の順位は? 「健康」指数で上位
◆日本は前年比1ランク上昇、長寿では世界1位
日本のスコアは69%で、前年から1ランク上昇の23位となった。調査対象の44ヶ国中、ほぼ折り返し地点に当たる立ち位置となっている。近い順位の国に、20位の韓国および22位のアメリカがある。
日本の物質的豊かさの指標は71%まで改善し、昨年から順位を4つ上げて14位となった。平均寿命も非常に長く、引き続き世界首位を維持している。近隣国との比較では、日本が健康の指標で90%を確保したのに対し、韓国は81%にとどまった。
一方、課題としては所得格差が挙げられる。所得格差の指標は53%と低水準で、順位は31位と主要国のなかでも下位に沈んでいる。医療保険支出の順位は11位に後退し、健康に関する総合指標でも90%と微減した。退職後の資金の指標については日本は51%で、韓国の71%に大きく引き離されている。
金融政策では明るい兆しも見える。3月には日本銀行が8年続いたマイナス金利政策を終了。賃金上昇の動きと相まって、今後利上げが進む可能性も出てきた。ただし、インフレ指標の順位は他国の改善が進んだことを受け、3位から14位まで大きく後退している。
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