ドイツ人観光客、イタリアで150年前の芸術品を破壊 すでに出国

Gregorio Borgia / AP Photo

 観光客による歴史的建造物の破壊が欧州で相次いているが、今度はイタリア観光中のドイツ人グループが、宿泊していた施設にあった19世紀のイタリアの銅像を壊すという事件が起こった。監視カメラによってその様子が撮影されており、警察も動き出す騒動となっている。

◆その価値3000万円以上! ハグで倒された文化遺産
 ユーロニュースによれば、ドイツ人観光客グループは17人で、北イタリアのヴィッジュという小さな町の別荘ホテル、ヴィラ・アルチェオを借りていた。この別荘の庭の噴水の中央には、芸術家のエンリコ・ブッティによるドミナ像が置かれていた。150年ほど前の作品と推定され、その価値は約20万ユーロ(約3100万円)とされている。

 監視カメラの映像には、2人の観光客が銅像に抱きつき、倒して壊してしまった様子が映っていた。同時に、仲間の4人が携帯電話でそれを撮影している姿も捉えられていた。ルールでは、噴水は立ち入り禁止になっていたという。ヴィラの支配人は17人全員を告訴し、警察が監視カメラの映像を調べているが、すでにグループはイタリアを出国してしまっている。

ヴィラのシンボル、ドミナ像


監視カメラ映像

Text by 山川 真智子