「自転車の街」になるパリ 市長肝いりの政策が成功

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◆インフラ整備が人を動かした 海外からも賞賛
 自動車と歩行者が入れない専用レーンを拡充したことで、市内を自転車で移動する人は確実に増加している。画期的な政策で変貌を遂げたパリの様子に、海外から賛辞が送られている。

自転車専用レーンが劇的にパリを変えたとニューヨークの住人がツイート。1回だけ自転車レーンを作って「利用者が少ない」というのではなく、役立つレベルになるまでどんどん作るべきとしている。


移動手段の選択肢の増加、スペースの有効利用、公共コスト削減、排出量削減など、非常に実用的な改革だというバンクーバーからのツイート。


以前は自転車で来る人などほとんどいなかったパリの大通りに、サイクリストが集まってきたというスペインからのツイート。都市のサイクリング文化はもともとあるのではなく、インフラによって構築されると述べている。

◆目的を明確にして行動を起こす パリのやる気は本物
 パリの自転車専用レーンの整備は着々と進んでいるが、残念ながらすべてを今すぐ改善というわけにはいかず、大きな交差点など、まだまだ自転車には不向きな場所もあるという。それでも、自動車優先で自転車レーン設置の議論が遅々として進まない北米などに比べれば、路上の駐車スペースを撤去してでも推し進めるパリの改革からは、本気度が伝わってくる。

 AFPによれば、2024年のパリ五輪に向け、市内の中心と競技会場を結ぶ自転車道も建設中だ。「サイクル・シティ」としてのパリの存在を、世界に示す好機となりそうだ。

Text by 山川 真智子