1万トン超えたパリのごみ…スト以前から汚くなっていた花の都
◆1万トンのごみにも無策のパリ市長
今回のストでパリに溢れるごみの量は、17日の時点で1万トンを超えた。労働組合CGTは14日には、このストを少なくとも20日まで続けることを決めており、事態の好転はすぐには望めない状況だ(フランス・アンフォ、3/16)。
だが、デモを行う労働者側に立つイダルゴ市長は、このごみ問題に最初から無策を決め込んでおり、それを批判する声は政治家らからも上がっている。パリ7区区長は、イダルゴ市長の無策がネズミの繁殖を助長していると批判。政府の広報担当者であるオリヴィエ・ヴェランや、運輸大臣クレマン・ボーヌもイダルゴ市長の姿勢を批判している。(同)
この件に関してイダルゴ氏はパリ市長という立場上、パリの公衆衛生を管理する義務があるはずだが、言動からはその義務を放棄しているようにしか見えない。
◆ごみ収集業者の徴用を拒否
パリ市議会のブルナゼル議員はパリ市に対し、ごみ収集業者を徴用するようにと発言(BFMTV、3/12)。国の介入を避けたいダルマナン内相も、パリ市がごみ収集業者を徴用するようパリ警察を通して圧力をかけた。だが、イダルゴ市長はこれを拒否。「国が自ら問題を作り出しておいて、その解決を地方自治体に求めるのは矛盾している」というのがその主張だ(フランス・アンフォ)。
らちがあかない状況のなか、国は公衆衛生上の理由からこれ以上パリの惨状を放置しておけないと判断。内相の命を受けたパリ警察署長は15日夜、ごみ収集業者の徴用に踏み切ることをイダルゴ市長に通告した。(20minutes紙、3/16)
これを受けパリ市は16日にごみ収集業者4000人のリストをパリ警察に渡したとされる。だが、具体的にどのように徴用するかは今後の課題だ。いずれにせよ、たまりにたまったごみ処理にも相当時間がかかると思われ、パリ市民の受難はまだしばらく終わりそうにない。
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