米FDA、オミクロン株「BA.4」「BA.5」対応ワクチンを開発するよう推奨 秋冬の流行に備え
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、新型コロナウイルスのワクチンを改良し、オミクロン変異株の「BA.4」と「BA.5」を標的にすることを推奨すると発表した。現在アメリカではこの2つの変異株の感染が広がっており、冬の大感染が心配されている。
◆現在のワクチンの限界か? オミクロン変異株が拡大
科学系ニュースメディア『スタット』によれば、研究者たちは新型コロナウイルスの継続的な進化が、時間の経過とともにワクチンの有効性、とくに感染に対する防御力を弱めていることを発見した。入院や死亡といった深刻な結果に対する防御はウイルスが変異しても、とりわけブースター接種によって維持されている。しかしオミクロン株に含まれる変異と秋冬にかけて再流行するという懸念から、科学者たちはワクチンのアップデートを求めてきた。
昨年冬に大波を起こしたオミクロン株BA.1はアメリカではもう流行していない。3月にはBA.2、5月にはBA.2.12.1が取って代わり、現在アメリカにおけるコロナ感染の50%以上はBA.4とBA.5によるものだ。専門家が心配しているのはとくにBA.5で、7月上旬までにはアメリカで主流になると見られている。
FDAは秋冬にブースター接種が必要な場合を考え、ワクチンメーカーに十分な時間を与えられるようにいま勧告を出したという(スタット)。FDAのワクチン部門の責任者であるピーター・マークス博士は、ワクチンメーカーは武漢で最初に出現したオリジナル株に加え、BA.4とBA.5を標的にして、ワクチンをアップデートすべきとしている(CNBC)。
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