封鎖解除とは名ばかり…「ゼロコロナ」に翻弄される上海の人々 国外脱出も
◆外国企業は中国依存から脱却?
予測のつかないロックダウン政策に、いつまでも行き来が不自由な国境。それに加え昨今のウクライナの状況を見て、万が一中国がロシアのように国際的な経済制裁を受ける状況に陥った場合を考え、中国への投資を見直す企業も出てきている。
在中国欧州商工会議所メンバーの23%は、投資の一部を第三国へ移すことを検討している。これは、上海封鎖前と比べ2倍。(ル・ヴァン・ド・ラ・シン)
また中国に進出しているアメリカ企業の52%はすでに投資を延期あるいは削減している。ドイツ商工会議所のメンバーのうち47%は中国での活動を再考。ドイツ企業の8社に1社は中国を離れることを検討する考えだという。(ル・ヴァン・ド・ラ・シン、5/22)
◆「政府への不満」は広がる?
2ヶ月に及ぶ経済活動の停滞に加え、労働力の多くを失いつつある上海の傷はかなり深い。加えて住民たちの不満の声もくすぶっている。
とはいえ、上海で生まれた「政府への不満の声」がほかの地方に広まることはないと見られている。中国国内において、上海はもともと妬みと嫉みの対象であることが多く、上海人の苦難には同情が集まりにくい面があるからだ。(ル・ヴァン・ド・ラ・シン、4/22)
実際、今回施行された厳しいロックダウンについても「(今秋予定されている第20回党大会での)上海政府の発言力を弱めようと考えた中央政府」の考えではないかと発言する上海在住フランス人もいる(フランス24)。