「サル痘、欧州のレイヴでの性行為で拡散した可能性」専門家が指摘
これまでアフリカ以外での発生が稀だったサル痘だが、スペインやイギリスなど欧米の複数の国で感染者が相次いでいる。急増の背景に、性行為を伴う大規模な同性愛イベントが関与していたとの見方が浮上した。ただし、サル痘自体は性的指向に関係なく感染するため、世界保健機関(WHO)はいわれなき差別が行われるべきではないとの注意を促している。
◆大規模イベントで拡大か
保健当局によると、これまでヨーロッパで確認された患者は、大部分が男性同士での性行為を行う人々となっている。AP通信(5月24日)は、「ヨーロッパで最近行われた2つのレイヴ(乱痴気騒ぎのイベント)における性行為」が感染を広げたとの見方を報じた。ドイツおよびスペインの保健当局が現在、直近に行われた大規模なゲイ・イベントとサル痘感染との関連を調査しているという。
アフリカにほど近いスペイン領カナリア諸島では、8万人参加の大きなゲイ・プライドの催しが直近で開催されていた。ドイツ政府の報告書は、催しを「性的行為が行われた(中略)パーティーイベント」と捉え、ドイツ国内の感染者と関連している可能性を指摘している。ベルリンでも同種のイベントが行われており、ドイツ国内で確認された両イベント関係者の感染はこれまでに4件となった。これとは別にスペインの保健当局も、同イベントとスペイン国内のサウナにおける感染事例との関係を調査中だ。
- 1
- 2