感染爆発で窮地の北朝鮮 しょうが湯、塩水うがいで対策 「ワクチンは手遅れ」とも
新型コロナウイルスのワクチン接種を実施していない北朝鮮で、感染者が急増している。これまでワクチン寄贈の申し出を頑なに断ってきたことが裏目に出た。米専門家は、すでに接種展開のタイミングを逸したとみる。
◆新たに26万人超が発熱
これまで国境封鎖のみで感染拡大を防いできた北朝鮮にとって、感染急増は危機的事態だ。英フィナンシャル・タイムズ紙(5月20日)は、「究極の孤立化(によるコロナ予防)という北朝鮮の賭けは、オミクロン株のまん延で崩壊を始めた」と報じている。19日に発表された、新たに一日に原因不明の発熱を生じた国民の数は26万人を超え、先月下旬以降の発熱者の累計は200万人近くになった。
ワクチンも抗ウイルス薬も手に入らない現在、新型コロナに感染した北朝鮮の国民は、農産物の抽出エキスなどに頼っている。英BBC(5月20日)は、しょうが湯や柳の葉を煎じたものなどを摂取していると報じる。これらは咳など一部症状の緩和に役立つ可能性があるものの、新型コロナウイルスそのものに対する有効性はほとんど確認されていない。
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