カナダ料理「プーティン」受難 無関係なのにヘイト対象に

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 カナダのポピュラーな料理に、ケベック生まれのプーティンというものがある。フライドポテトにチーズカードを乗せ、さらにグレイビーソースをかけた、カロリーの塊のような料理だが、カナダでは広く愛されている。ところが、このプーティン、その名前のせいでここのところ受難続きだという。

◆露大統領名と同じスペルがあだに
 プーティンのスペルは「poutine」。これは、フランス語のプーチン露大統領と同じ綴りだ。もちろん、ケベック料理プーティンと現ロシア大統領にはなんのつながりもない。だが、名前が同じという理由のせいで、ロシアのウクライナ侵攻以来、ケベック料理プーティンがヘイト対象となっているのだ。フランス・パリのケベック料理店「ラ・メゾン・ド・ラ・プーティン(プーティンの家)」のオーナーは、ここのところ電話などで侮辱の言葉や脅迫を受けることが増えたと証言する。(キャピタル誌、3/4)

 本場カナダにおいても、ロシアのウクライナ侵攻はプーティン(料理)に影響をもたらしている。ケベックのチェーンレストラン「フリット・アロール」は、さまざまなバリエーションのプーティンをメニューに載せている。そのうち最もスタンダードなプーティンの名前は、これまでウラジーミルだった。ウラジーミルというのは、プーチン大統領のファーストネームと同じだ。だが、今回のウクライナに関する状況を鑑み、ウラジーミルではなくウォロディミルに改名した。ウォロディミルというのは、ウクライナのゼレンスキ大統領のファーストネームだ。(Cultmtl誌、3/10)

Text by 冠ゆき