中国の子育て費用が高騰 1人当たりGDPの6.9倍、日米を上回る
中国の研究機関が発表した最新の報告書によると、中国の子育て費用の平均は、2019年で48万5000元(約897万円)だった。1人当たりのGDPの6.9倍と、多くの先進国と比べて非常に高い数字となっている。少子高齢化が進む中国では、一人っ子政策を緩和し現在では夫婦1組につき3人まで子供をもうけることを認めている。しかし子育ての重い経済的負担が子供の増えない原因と見られ、有効な打開策が求められている。
◆もはや青天井レベル 子育て費用高騰
報告書は北京のシンクタンクによるもので、子供が18歳になるまでにかかった子育て費用を欧州、アジア、アメリカの13ヶ国と比較している。1人当たりのGDPの6.9倍という中国の数字は、アメリカ4.11倍(2015年)、イギリス5.25倍(2021年)、ドイツ3.64倍(2018年)、数字はやや古いが日本4.26倍(2010年)と比べ非常に高くなっている。中国を上回ったのは、出生率が2020年に世界最下位の0.84となった韓国の7.79倍だけだった。(ロイター、中国政府系環球時報英語版)
子育て費用は子供の数が少ない主要都市においてはさらに高くなっており、上海では100万元(約1850万円)、北京で96万9000元(約1792万円)もかかる。報告書は、子育て費用の高さが適齢期の夫婦が子作りに二の足を踏む主な要因だと指摘。出産を促すには、子育て費用削減のための国家的なインセンティブが必要だとした。(同)
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