カナダ首都を麻痺させたトラック運転手デモ、世界に波及 背後に極右グループか
カナダで、新型コロナワクチン接種義務への抗議からトラック運転手のデモが1月末に始まり、首都オタワを麻痺させた。それを受け、同市市長は6日、非常事態を宣言した。この運動は現在世界各地に波及しつつあり、各国当局は警戒を呼びかけている。
◆始まりはカナダのトラック運転手
カナダでは、トラック運転手の新型コロナワクチン接種が1月15日から義務化されたことに端を発し、「フリーダム・コンボイ(自由のための車両行列)」運動が始まった。1月22日にカナダ西部のブリティッシュコロンビア州を出発したトラックの行列は、一週間かけて4300km離れた首都オタワに到着。国会議事堂を、数百台のトラックが包囲するなどして、1月29日以降オタワの中心部を占拠している。
◆アメリカとの国境が封鎖
オタワ市中だけでなく、幹線道路を封鎖する動きもでている。とくに大きな問題となっているのが、カナダのオンタリオ州とアメリカ合衆国のデトロイトを結ぶアンバサダー橋の封鎖だ。一年で250万台近いトラックが行き交うこの橋は、両国間の輸出入品の25%が通る重要なルートだ。また、アメリカの病院では多数のカナダ人看護士が働いており、国境の橋封鎖の影響が懸念される。(フランス・アンフォ、2/9)
カナダのトルドー首相は安全のため、家族とともに秘密の場所に身を隠し、2月3日にはデモ参加者に解散を呼びかけたが効果はなく、オタワ市長は6日、非常事態を宣言した。トルドー首相は9日、これらの違法行為を放ってはおけないと再度発言し、オタワ警察も同日「道路封鎖、あるいはその擁護をしたものは、起訴される可能性があり(中略)逮捕される可能性が高い」と初めて警告を出した。(同)しかし、いまだ事態は収束していない。
- 1
- 2