国内でも確認、注目すべき変異株「ミュー」とは?

NIAID-RML via AP

 世界保健機関(WHO)は8月31日、新たに注目すべき変異株(VOI)にミュー変異株を加えた。これは、今年1月コロンビアで初めて確認された「B.1.621」系統の変異株だ。このミュー変異株について現在わかっていることをまとめる。

◆現在5種を数える注目すべき変異株
「注目すべき変異株(VOI)」とは、「懸念される変異株(VOC)」の次に警戒すべき変異株のことだ。WHOは5月末からB.1.621に注目してきたが、今回VOIに分類するにあたり、ミュー株と命名した。ちなみに現在VOIに分類されているのは、新しく加わったミュー株のほか、エータ株、イオタ株、カッパ株、ラムダ株の5種で、VOCに分類されているのは、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株の4種である。

◆中南米、北米、欧州、日本にも
 ミュー株は、コロンビア北部に次いで、メキシコ、アメリカに広がったのち、大西洋を越えて、欧州のイギリス、ドイツ、スペイン、ポルトガル、イタリア、フランス、ベルギーにも入り込んだ。8月上旬の時点では、約30ヶ国でミュー株による感染が確認されている。(20minutes紙、8/12)

 日本でも、6月と7月にミュー株が空港検疫で確認されたと、厚生労働省が9月1日になって発表している。6月26日到着のアラブ首長国連邦(UAE)からの入国者と7月5日到着の英国からの入国者で、いずれも無症状の病原体保有者だった。

Text by 冠ゆき