米でブレイクスルー感染増加 ブースター接種開始
ワクチン接種率が上昇するに伴い新型コロナウイルス感染者が急激に減少したことで、アメリカでは多くの人々がバケーションに出かけたり、家族や友人と集まったりして今年の夏を楽しんだ。そうしたなか、新型コロナ感染拡大が峠を越えたように見えたことで人々の気が緩んだ頃、7月に入ってデルタ変異株の感染が急激に拡大。とくに、すでにマスク着用令を廃止していたうえ、ワクチン接種率が低いテキサス州やフロリダ州などの南部州で感染が広まっており、重症の入院患者数も激増している。だが、感染するのはワクチン未接種者に限らない。少数ではあるが、ワクチン接種をすでに済ませている人が感染した「ブレイクスルー感染」のケースも各州で出てきている。
◆ブレイクスルー感染はごく少数
NBCニュースの7月30日付の報道によると、同国では同日時点で1億6420万人がワクチン接種を完了。うち12万5682人がブレイクスルー感染したという。数だけ見ると多く思えるが、接種完了者全体の約0.08%程度でごく少数である。同記事によると、少なくともこの時点ではペンシルバニア州とミズーリ州がデータを提出していなかったため、感染者数はこれより多いものと思われるが、割合的には大差はなさそうだ。
米疾病対策センター(CDC)は、現在使用されているワクチンの有効性は高いものの、いずれも100%の有効性ではないことから、感染して重症化したり、死亡したりするケースは少数ながらもあると述べている。しかし前出のNBC記事によると、ミネソタ州保健省報道官は、同州ではワクチン接種者の99.9%は感染しておらず、また少数あったブレイクスルー感染ケースのなかで、入院を要するほどの重症患者はごく少数だったと述べており、ワクチンは完璧ではないものの、やはり有効性が高いことがわかる。
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