米でワクチン未接種者のパンデミック デルタ株感染者が急増
アメリカでは1月20日にバイデン大統領が就任後、新型コロナウイルスワクチン接種が猛スピードで行われてきた。ジョンズ・ホプキンス大学によると、7月21日時点で、同国民全体の49%にあたる1億6160万人が接種を完了している。いまでも1日に数十万本単位の接種が行われてはいるが、ワクチン接種に積極的な人はすでに接種を完了しているため、一時期よりも接種のスピードは4分の1以下に落ちている。年齢的にはまだ12歳以下の子供たちの接種が許可されておらず、この年齢層の接種が開始されれば接種率が6割以上になる可能性もあるだろう。しかしそれ以外にも、共和党支持者を中心として、頑なに接種を拒否している人がかなり多い。そんな状況から、アメリカではいま、デルタ株の流行とともに、ワクチン未接種の人々の間で新たな感染拡大が起こり、新規感染者数が再び増加傾向に転じている。
◆新規感染者の2割がフロリダ州に集中
米疾病対策センター(CDC)によると、アメリカでは7月20日時点で、7日間の平均新規感染者数が3万7673人となっており、これは1ヵ月前の6月20日の平均1万1470人の3倍以上である。ワクチン接種者が人口の半数近くとなったいま、1日25万人前後の新規感染者を記録した今年1月に比べ、感染者数は少ない。しかし、デルタ株が標的にするのは、残りの人口半数を占めるワクチン未接種者である。
NBCニュースによると、CDCのロシェル・ワレンスキー所長は16日、「メッセージは明らか。これはワクチン未接種者のパンデミックだ」「ワクチン接種を受けていない人々が危険にさらされているため、国内のワクチン接種率が低い地域で感染のアウトブレークが起こっている」と語り警鐘を鳴らした。同所長は同時に、ワクチンを接種した場合、たとえ感染しても症状は軽く済むと話している。
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