マスク義務解除する国と再導入する国 分かれる判断
◆マスク着用再導入の国
だが、その一方で、マスク着用を再導入する国も存在する。それも、世界が目を見張るスピードでワクチン接種をこなし感染拡大鎮静化に成功したと見られるイスラエルだ。同国では、4月の終わりから新規感染者はほぼ皆無となり、マスク着用義務も6月15日にやめたばかりだった。ところが、デルタ株の影響で、6月21日から一日の新規感染者数が100~300人を推移するようになり、25日から再び公共施設や企業の屋内でのマスク着用義務化を決めた。屋外でも大勢が集まる場所では、マスク着用を推奨している。(ニース・マタン紙、6/25)
さらに、デルタ株による感染拡大防止のために部分的ロックダウンを施行するオーストラリアでも、ブリスベンや、キャンベラなどで、マスクの着用義務が再導入されている(ル・モンド紙、6/27)。
◆WHOはマスク着用継続を推奨
そのようななか、世界保健機関(WHO)は6月25日、ワクチン接種を済ませた人にもマスクの着用継続を推奨すると発表した。これは、とくに現在猛威を振るいつつある感染力の高いデルタ株を念頭に置いての発言だ。つまり、WHOは、ワクチンだけでは感染を止めるのに十分ではないと考えているのだ。実際、先日ジュネーブで行われた報告会において、WHOの医薬品アクセス担当副局長シマオ氏は、「継続してマスクを使い、換気をし、手の衛生に気を配り、フィジカルディスタンスを取り、人混みを避ける必要がある」と発言している。(クオーツ、6/29)