独教会の性虐待は組織的だった? バチカンが調査のため大使派遣

ケルン大聖堂ライナー・マリア・ベルキ枢機卿|Ina Fassbender/Pool via AP

 バチカン・フランシスコ教皇は5月末、ケルン大聖堂ライナー・マリア・ヴェルキ枢機卿周辺調査のため全権大使2名を派遣すると発表した。これまで闇に葬られていた性虐待を解明することはできるのか。

◆信望は地に落ちた
 聖職者による未成年者への性虐待は2010年以降、ドイツのカトリック教会で大きな問題となっている。ベルリンのカトリックイエズス会学校で起こった聖職者2人による性虐待事件の発覚から今年で11年。それ以来、教会外部の専門家やドイツ司教協議会の調査を実施し、教会内の性虐待や子供と若者の保護問題に取り組んでいる。

 そんななか、ドイツ最大かつ最も重要な教区のケルン大司教であるヴェルキ枢機卿は、担当教区の性的虐待疑惑への対処法に関する専門家の意見を1年間伏せたままだった。

 こうした背景から、フランシスコ教皇は全権大使として、ストックホルムとロッテルダムの司教、アンデルス・アルボレリウスとハンス・ファン・デン・ヘンデを任命した。6月7日からヴェルキ枢機卿周辺を調査し、隠蔽事実がないかどうか審査する。

Text by noriko spitznagel