ブラジル型変異ウイルスが警戒される理由

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 フランスは13日、ブラジルからの空の便をすべて停止することを決めた。これはブラジル変異株を警戒してのことだ。

◆ブラジルを襲う第三波:感染の制御が不可能
 現在ブラジルは、連日4000人前後の死者を数えている。つまり1分間に約3人が亡くなっている計算だ。フランス・アンフォ(4/11)によれば、サンパウロでは、日中だけでは間に合わず夜間も埋葬が行われている。それにもかかわらず、ボルソナロ大統領にはロックダウンの意思がなく、リオデジャネイロのレストランやバー、ビーチは営業している。

 感染拡大の原因の一つとして考えられるのがブラジル変異株である。現在同国の新規感染者の65%はブラジル変異株によるものだ。1月の時点では22%に過ぎなかったことを考えると、急速に広がっていることがわかる(ウエスト・フランス紙、4/13)。若年層にも感染者が多く、現在ブラジルでは集中治療室の入院患者の52%が40歳未満になっている(20 minutes、4/13)。ブラジルからの航空便をすべて停止するという、4月13日のフランスの発表は、こういう背景から出されたものだ。

Text by 冠ゆき