3社のワクチン接種のフランス 副反応など知っておきたいこと

Olivier Chassignole / AP Photo

◆アストラゼネカのワクチンと変異株
 WHOが、アストラゼネカワクチンと変異株について発表したのには理由がある。アストラゼネカ社は2月6日、臨床試験初期データに基づくと、同社のワクチンは「南アフリカ変異株感染が原因の軽度の疾患には限定的な防御しかもたらさないようだ」と発表したのだ(ロイター、2/7)。ヨハネスブルグのウィットウォーターズランド大学とオックスフォード大学によるこの研究内容を受け、同社のワクチンを2月頭に受け取ったばかりの南アフリカは、早々にアストラゼネカのワクチンを転売、あるいはほかのワクチンと交換したいという考えを表明した(フランス・アンフォ、2/10)。ル・ポワン誌(2/17)によれば、この南アフリカの呼びかけにはアフリカ連合などがすでに応えており、同国が抱えるアストラゼネカ社のワクチンストック100万回分は、別所で活用されることになる模様だ。なお、南アフリカは近々ジョンソン&ジョンソンに発注したワクチン900万本のうち最初の8万本を受け取ることになっており、遅れていたワクチンキャンペーンもようやく開始できる見通しがたっている。

◆感染経験者へのワクチン接種
 HASは、新型コロナにすでに一度感染した人へのワクチン接種は、基本的に2度ではなく1度でよいとする見解を2月12日に示した。簡単に言えば、感染自体が一度目のワクチンの役目を果たすため、感染判明から3~6ヶ月の間にワクチンを一度接種するだけで足りるという考えだ(トップ・サンテ誌、2/12)。

 また、一度目のワクチンを受けたのち感染した人は、二度目のワクチン接種まで最低6ヶ月空けることを勧めている(同)。

◆ファイザーの副反応:血圧上昇に注意
 1月16日時点のHASのまとめによれば、副反応は、ファイザー、モデルナともに、最も発現が多いものから順に、ワクチンを打った部位の痛み(ファイザー80%以上、モデルナ92%。数字は副反応が出た例に占める割合、以下同)、疲れ(ファイザー60%以上、モデルナ70%)、頭痛(ファイザー50%以上、モデルナ64.7%)、筋肉痛(ファイザー30%以上、モデルナ61.5%)となっている。ファイザーのワクチンでは寒気も副反応の30%以上を占めた。これらの副反応は「たいてい軽症で、1,2日で消え」、接種者の年齢が上がるほど少ない(フランス・アンフォ)。

Text by 冠ゆき