バイデン政権「100日1.5億本ワクチン」、早期収束の可能性も

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 1月20日、アメリカの46代目大統領に就任したジョセフ(ジョー)・バイデン大統領は、祝賀ムードのなかで就任初日から早速職務に取りかかった。バイデン氏が急務として真っ先に着手したのは新型コロナウイルス対策である。トランプ前大統領は反マスク・反科学の姿勢を貫き、連邦政府レベルでの対策をほとんど取ってこなかったため、アメリカのウイルス感染は爆発的な増加を見せた。ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、日本時間の26日午後4時の時点で、同国の累計感染者数は2529万7071人、死者数は42万1129人という驚異的な数字になっている。

◆バイデン政権が打ち出した新型コロナ対策
 バイデン政権は、就任後初めてトランプ政権の新型コロナ対策の現状について知ることになった。その結果、トランプ政権がほとんど対策をしてこなかった、または対策は不十分だったことを知らされることになった。NBCニュースによると、新政権のCovid-19(新型コロナ)コーディネーターは、「私たちが受け継いだものは、想像したよりはるかにひどいものだった」と発言。また、MSNBCのニュース番組『ミート・
ザ・プレス』に出演した同政権のロン・クレイン大統領首席補佐官も、「我々がホワイトハウスに来たとき、(トランプ政権の幅広いワクチン接種プランは)存在しなかった」と語った。

 バイデン大統領は就任2日目の21日、新型コロナウイルス対策に関する大統領令を発令。ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、その内容は「ワクチンや(マスクなど)防御ギアの製造増産と検査数の増加」「州間移動の際のマスク着用義務化(空港や飛行機、鉄道、バス内でのマスク着用や、国外からの訪問者に陰性証明を義務付ける命令も含む)」「連邦政府による新型コロナウイルスデータ収集システムを改善する」「健康格差タスクフォース設立」「学校や雇用に関するガイドライン設定」「Covid-19と将来のパンデミック向けの治療法発見」であるという。また、国民やビジネス救済のために1兆9000億ドル(約197兆円)に上る経済対策案を打ち出した。

Text by 川島 実佳