ドイツ、高性能マスクの着用義務化 マスクの素材と機能をおさらい

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 パンデミックの感染再拡大が止まらないところに、より感染力の強いイギリスの変異種の出現を受け、欧州では着用義務マスクの種類指定に踏み切る自治体が出ている。日本は義務でなくともマスク着用率が高い国だ。これは、パンデミック時代において高く評価される点だが、この機会にマスクの素材別機能の違いにも目を向けたい。

◆FFP2マスクを義務としたバイエルン州
 ドイツのバイエルン州は、1月18日から公共交通機関や駅、バス停などでの着用義務マスクを15歳以上においてはFFP2マスクにすると定めた。FFP2マスクとは、ヨーロッパ統一規格で濾過率が94%以上のものを指す。これは、米国規格によるN95(同95%以上)や日本規格のDS2(同95%以上)のものとほぼ同等の性能を持つものだ。

 これに続き、1月19日にはメルケル首相が、ドイツ全土においても、公共交通機関と小売店内ではFFP2マスクかサージカルマスクを着用することを義務化すると発表した。同時に、現在施行中の制限策の2月14日までの延長や、3月15日まで企業にリモートワークを優先する義務を課すことなどを決めた。

◆マスクの種類指定を検討するフランス
 フランスの公衆衛生高等評議会(HCSP)は1月18日、「変異種の発現を受け、今後はサージカルマスクか、カテゴリー1の布マスクを推奨する」旨の意見をまとめた。フランスで言うカテゴリー1の布マスクとは、3ミクロン以上の微粒子濾過率が90%以上のものを指し、濾過率70%~90%のカテゴリー2と区別されている。仏連帯保健省の保健総局(DGS)の依頼を受けてまとめられたこの意見書は、今後保健総局の検討を経て採否が決定されることになっている(フランス・アンフォ、1/19)。

Text by 冠ゆき