コロナでベビーブームは起こるのか? 先進国と途上国で差か

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 新型コロナウイルス感染症の流行が世界的に拡大し始めた今年3月ごろ、メディアで「『ステイホーム』でカップルや夫婦が一緒に過ごす時間が増え、数ヶ月後にベビーブームが起こるのではないか」という憶測が飛び交った。SNSではそのベビーブームで生まれた世代の呼称として、quarantine(クアランティン=隔離)とteen(ティーン=若者)をかけた「クアランティーン世代」という言葉まで飛び出した。

 パンデミックが各国の出生率にどのような影響を与えたのかを考察するのは時期尚早だ。しかしすでに、先進国と途上国の間で妊娠や出産に関して異なるパターンが見えつつある。

◆妊娠控える先進国 「いまは子供作れない」
 日本では厚労省が10月、コロナウイルスの流行が妊娠にどのような影響を与えているか調べるため、今年1〜7月に全国の自治体に提出された「妊娠届」の件数を集計した。妊娠届は妊娠がわかった人が各自治体に届け出るもので、約9割の人が妊娠11週までに提出している。厚労省の報告によると、今年5〜7月に全国の自治体に提出された妊娠届が前年同時期に比べて11.4%減少したことがわかった。1〜4月は前年同時期の0.5%減で、2018年、2019年とほぼ同じ推移だったことから、5月以降明らかに変化が表れたことになる。

 同様にアメリカでも出生率の低下が予測されている。同国のシンクタンクであるブルッキングス研究所は6月、アメリカの来年の出生率が過去35年間で最低の出生率だった2019年よりもさらに7〜10%低下すると予測している。これは出生数が30〜50万人少なくなることを意味する。また同国のガットマッハー研究所が行った調査の結果によると、18〜34歳の女性で世帯年収が7万5千ドル(約780万円)の人の3分の1がパンデミックを理由として「妊娠を遅らせたい」、または「子供の数は少なくていい」と考えているという。

Text by 中原加晴

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