オオスズメバチ上陸にアメリカ人戦慄 専門家「日本人らは共存」、落ち着くよう助言
アメリカ北西部に位置するワシントン州で、スズメバチの一種であるオオスズメバチの生息が確認された。人をも死に追いやるその凶暴な性格に、現地では動揺が拡がる。5月4日のGoogle急上昇ワードで全米5位を記録するなど、アメリカ国民の関心は高い。専門家は日本などアジアでハチと共存してきた歴史を紹介し、冷静な対処を人々に呼びかけている。
♦︎殺人バチの目撃でパニック
アメリカ初の個体が公式に確認されたのは昨年12月のことだ。目撃情報に基づいて米農務省が調査したところ、カナダとの国境付近にあるワシントン州ブレインの町において存在が確認された。その後も町の南部で、未確認ながら2件の目撃情報が寄せられている。
人々が警戒する原因は、その大きさと毒性の強さだ。なかでも世界最大のスズメバチであるオオスズメバチは働き蜂でも体長が3〜4センチほどあり、女王蜂では5センチに達する個体も見られる。ハチのなかでもとくに縄張り意識が強く毒性も強いことから、最強のハチとも呼ばれ恐れられている。
AP通信(5月5日)は、オオスズメバチの針はほとんどの養蜂用の防護服を貫通し、ミツバチの7倍の量の毒を注入すると報じている。さらに複数回にわたって刺すことから危険視されており、当局は特別な防護服を中国に発注した。記事はワシントン州立大学関係者のことばから、「ショッキングなほど大きなスズメバチ」「奴らはまるで怪物マンガから抜け出してきたようだ」との表現を引用し、一般的なハチとの違いを強調している。人すら死に至らしめることから、日本では「殺人スズメバチ」とも呼ばれている、と記事は伝える。