スイスでも頼みの中国人観光客 嫌悪感を抱く人も
◆嫌がる地元の人も
スイスにとって、中国人観光客は大事なお客様だ。今後もスイス側のプロモーションは続くはずだ。しかし、「アジア人、アラブ人観光客が多過ぎる」「売りに出されたホテルや店を、なぜアジア人が巨額で購入・経営するのか」と違和感や嫌悪感を抱くスイス人もいる。
たとえば、2つの湖に挟まれた有名観光地インターラーケンでは、あまりにも観光客が多くて、散歩の場所を以前と変えて、観光客に会わないようにしている住民がいる。不動産業者は、「ホテルを、なぜスイス人に売らないのか」と言われるという。
そういった否定的な見方に対して、土産物店の店主は「ヨーロッパ人観光客だけでなく、いろいろな国の人がいたほうが、いい雰囲気だと思う。それに、この町は観光で成り立っているのだから、たくさん来てもらったほうがいい、観光客がいなければ町はさびれてしまう」と言う。不動産業者は「スイス人に売らないのは私のせいだとよく言われるが、スイス人はリスクを負いたがらないし、資金工面も難しくて買わない。ホテルが閉まったままよりは、外国の投資家に買ってもらって再オープンしたほうがいい」と主張する(スイス公共放送SRF)。
新型コロナウイルス感染が鎮静化したら、中国人観光客たちはスイスにも戻ってくるだろう。将来、さらに中国人観光客が増えたら、嫌悪感を抱くスイス人の態度はどう変わっていくのだろうか。