スイスでも頼みの中国人観光客 嫌悪感を抱く人も
ヨーロッパでも新型コロナウイルス感染が拡大し、スイスでは、ほとんどの商店が閉鎖し、全国のスキー場も閉鎖で1ヶ月早いシーズン終了となった。スイスも中国人に人気だが、現在、中国から大勢でやってくる観光客は見当たらない。観光業界は、大事な「お得意様」が突如消えてしまったことで打撃を受けている。
スイスを訪れるアジア人観光客は、インドと中国からが目立つ。インド人は、たくさんのインド映画がスイスの山や村で撮影されていて、その美しい舞台を一目見ようとやってくる。では、中国人は? やはり、スイスの壮大な自然を味わいたいからだが、ほかにも中国人特有の理由があるようだ。
◆4000人の中国人一行がスイスへ
スイスでは中国人観光客について頻繁に報道されている。そこには「中国人たちは、スイスの山のパノラマや、特色あるスイスの町に惹かれてやってくる」と書かれている。スイスの自然は確かに魅力的だ。また、木の橋、旧市街、川、湖、山々が調和した水の都と呼ばれるルツェルンなど、スイス人にとっても特別な町は多い。
そのルツェルンは、もちろん中国人観光客も立ち寄る。見どころ満載で、どこを歩いてもインスタ映えする場所が見つかる。
ルツェルンと中国人といえば、昨春のある日、4千人の中国人観光客がバス95台でルツェルンを訪れ、スイスでは一大ニュースとなった。これは、ネットワークビジネスを行うアメリカのジュネスグローバルの中国会員たちだ。巨大な一団はルツェルン以外の町も訪れ、このスイス6日間ツアーはインセンティブ旅行(企業が与える報奨旅行)だった。ツアーは第2団、第3団、各4千人が続き、合計1万2千人の中国会員がスイスの旅を楽しんだ。
本ツアーは、スイス政府観光局も協力して数年がかりで準備した。ジュネス・グローバルでは、参加者は3000人と見込んでいた。希望者が膨れ上がって驚いたという(ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング紙)。