世界各地で買い占め・転売 トイレットペーパー、マスク、食品……コロナ懸念で棚から消える
♦︎落ち着いて
USAトゥデイは、消費者がパニック買いに走らない限りはアメリカでのコロナウイルスの感染拡大によりトイレットペーパーの供給が途絶えることはないと述べ、「落ち着いて、買い溜めはやめよう」と冷静な行動を読者に呼びかけている。14日間分の食料および日用品をストックすることが推奨されているが、これを超えた買い溜めは控えるようサプライチェーンの専門家は忠告している。
14日間という期間はひとつの目安になるようだ。ガーディアン紙はオーストラリア国立大学の教授の見解として、常備薬は2週間から4週間分を蓄えておくべきだとするアドバイスを伝えている。薬局で買える薬としては、一般的な解熱鎮痛剤があれば十分であり、あれこれ大量に買い込む必要はないという。子供がいる家庭では、子から家族全員が感染するケースを想定して、薬に加えて食料も確保することが推奨される。これにより外界と接触せずに治癒を待つことができる。教授は人々が過剰反応していると指摘し、「我々はいま、いくらかバランスを取り戻す必要がある」と述べ、過度な買い占めに警告を発する。豪政府の主席医務官も、2週間以上のストックは不要だと釘を刺す。最悪のシナリオは感染して2週間の隔離措置を受けることであり、この場合でも2週間分の備えで十分だということになる。
♦︎物資不足、原理は
USAトゥデイ紙はコーネル大学の教授による見解を紹介している。教授によると買い占めとは、「自己実現的な予言」であるという。パニック買いが起きるという認識がひとたび消費者の間に広まれば、物資不足を恐れた消費者が店舗に殺到することになり、実際に品切れが起きてしまう。
このようなパニック心理に加え、残念ながら転売目的の買い占めが海外でも横行しているようだ。ガーディアン紙は一部の人々が事態を好機と捉え、消毒剤やマスクなどを大量に買い求め、地域の販売サイトやオークションサイトのイーベイなどで転売していると報じている。感染予防策としては一定時間ごとに手を洗うことが推奨されており、マスクの使用は求められていない。しかし、それでも出品の状況を見る限り、高い需要があるようだ。
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